隕石衝突の再現実験
ネタ元:Science@NASA
原題:Shooting Marbles at 16,000 mph
出展のリリース日:2007-03-14
地球上と同様に月面にも隕石は落下する。
しかし、地球と違って月面には大気がない。
燃えることも、減速することもなく、隕石は月面に衝突するのだ。
月面への隕石衝突は地球から観測することができる。
月の夜側の部分を継続してCCDで撮影すると、時折ピカッと光る点が出現する。
隕石が月面に衝突した瞬間だ。
次の動画は隕石衝突の模様を記録したものである。

出展:Science@NASA
隕石衝突の瞬間
月面への隕石衝突を調査しているNASAの研究者Bill Cooke氏によると、典型的な発光はソフトボール大の隕石が秒速27 kmで衝突したものであり、爆発のエネルギーはTNT火薬70kgに相当するらしい。
しかし、月面の発光は、平均38万km離れた地球から撮影されたものだ。
スピード、質量、エネルギーの計算値には不確かさが含まれており、精度の向上が必要であることは言うまでもない。
そこで利用されるのが、エイムズ研究センター[NASA Ames Research Center:ARC]にあるAVGR[Ames Vertical Gun Range]だ。 AVGRは月面での隕石衝突をシュミレートする実験設備だ。

出展:NASA
AVGR
1960年代、NASAは人類初の有人月着陸ミッション・アポロ計画に邁進していた。
このアポロ計画の一環として建設された装置が、AVGRだ。
この装置は、様々な形状、材質(金属・岩石質・ガラス)を最大7km/sのスピードでターゲットに打ち込むことが可能なのだ。
これにより、クレーターの生成などがシュミレートできるのである。
Bill Cooke氏によると、この実験結果を利用して、撮影された月面の衝突のスピード、質量、エネルギーの計算値を補正するという。
衝突で弾き飛ばされた物質は、数百キロメートルの彼方まで飛び散る。
月面は真空であるため、飛散物の衝撃も大きい。
将来、人間が月面に長期滞在したとき、隕石落下やその飛散物は脅威となる。
これらの危険の度合いを評価するために、Bill Cooke氏はシート・レーザー技術[sheet-laser technique]を利用する。
この技術では、レンズとミラーを組み合わせて、レーザー光を紙の厚さほどのエリアの放射する。
粒子がこのレーザー光のエリアを通過するときに、反射でピカピカと光る。
このピカピカをモニターすることにより、粒子のスピード、方向、大きさを知ることができるのだ。
この技術で必要とされる画像分析の量は膨大であるが、従来のアルミニウム板を用いた方法に比較し、はるかに精度が高いのだ。
参考文献・サイト
Wikipedia(NASA Ames Research Center)
NASA Ames Research Center