太陽面のフレア
ネタ元:Science@NASA
原題:New Phenomena on the Sun
出展のリリース日:2007-03-21
日本の太陽観測衛星HINODEが捉えた太陽面のフレアの映像は、NASAの関係者を驚愕させた。

出展:Science@NASA
HINODEの映像
HINODEは黒点やフレアの監視を目的とした太陽観測衛星で、2006年9月にJAXAによって打ち上げられた。
HINODEに搭載された太陽望遠鏡は、0.2秒の分解能を持つ("秒"は1度の3600分の1を示す角度の単位。時間の"秒"ではない)。
0.2秒の分解能とは、100mの距離を隔てて髪の毛を識別するほどの能力だ。
このため、HINODEを「太陽用のハッブル望遠鏡」と言う人もいる。
太陽の表面を覆う薄い層を彩層という。
太陽の大気の層が紅い色を放っているからだ。
この層は太陽光球のまぶしさに圧倒されて、通常は見えない。
しかし、光球が隠される皆既日食のときに、黒い月のシルエットの周囲を取り囲む紅い炎状の領域が見える。
これが彩層だ。
今まで、彩層は変化に乏しい領域であると認識されていた。
ところが、HINODEの画像によってこの認識が誤りであることが明らかとなった。
彩層から飛び出した複数のトゲの様な磁力線が、派手に動く様子が画像に納められている。
ガスのジェットも噴出し、落下する様子が10分以上に渡って起こっているのだ。
彩層の紅い光は、彩層が水素を豊富に含んでいることを示している。
水素が放つ656ナノメートルの電磁波は、人間の目に赤い光として写るのだ。
HINODEの望遠鏡はフィルターを装備しているため、この波長だけを使って画像を得るのである。
この波長を水素α線という。
フレアが何故発生するのかは、よく分かっていない。
太陽黒点近くの磁気の不安定さが原因であるとする説が有力であるが、フレアがいつ、どこで発生するかを前もって知ることはできない。
フレアが発生すると、船外活動中の宇宙飛行士が危険にさらされる。
放射線や荷電粒子が同時に発生し、地球近傍まで到達するからだ。
フレアの発生を予知できないのであれば、せめてフレアを発見しだい通報するシステムが必要となる。
このような研究分野の進展にHINODEは一役買うであろう。