木星の見えないオーロラ
ネタ元:Science@NASA
原題:Big Auroras on Jupiter
出展のリリース日:2007-03-29
オーロラは地球だけの現象ではない。
火星、木星、土星、天王星、海王星でもオーロラが確認されている。
大気と磁場を持つ惑星であれば、ごく普通の現象なのかもしれない。
なかでも、木星のオーロラはスケールが大きい。

出展:Jupiter: Chandra Examines Jupiter During New Horizons Approach
木星のオーロラ
しかし、この写真のようなオーロラは目で見ることができない。
エックス線のオーロラだからだ。
下の写真はハッブル宇宙望遠鏡がエックス線で撮影した木星だ。
オーロラが浮き上がって見える。

出展:Jupiter: Chandra Examines Jupiter During New Horizons Approach
エックス線で撮影した木星
このオーロラの写真に可視光で撮影した木星を重ねた画像が、最初の写真なのだ。
木星のオーロラの発見は、1979年に遡る。
ボイジャー1号が、木星の夜側で極を囲む薄いリング状の発光を発見したのだった。
その後、エネルギーの強い短い波長が放射されているらしいことは、真相は10年以上を待たなければならなかった。
1990年代になると、ハッブル宇宙望遠鏡が、地球のオーロラの数千倍のエネルギーを放つ木星のオーロラを撮影した。
木星のエックス線のオーロラは、地球のオーロラよりもはるかに巨大なのだ。
地球のオーロラは、太陽風によって発生する。
太陽風とは、太陽から来る荷電粒子のことだ。
地球近傍に到達した荷電粒子は、磁気圏に捕らえられ、極地の夜側に回り込み、大気中に降下する。
このとき、空気の分子を電離し発光させるのだ。
この発光がオーロラである。
木星のオーロラも磁気と荷電粒子と木星大気によって発生する。
しかし、荷電粒子の供給に太陽は不要なのだ。
木星のオーロラは、イオの火山からの荷電粒子で発生するのである。
イオの火山活動は休みなく継続される。
このため、木星のオーロラは途絶えることがない。
このエックス線のオーロラ以外にも、木星の北極付近にはエックス線源がある。
このエックス線源は、45分周期でこのエックス線を放射する。
エックス線源は、イオの火山活動とは無関係で、太陽風と関連があるようだ。
エックス線源に太陽風が衝突するとエックス線が発生するというのが、現在の仮説だ。

出展:Puzzling X-rays from Jupiter
木星のエックス線源のイメージ
参考文献・サイト
ESA:Mars Express studies possible aurorae above Mars
Jupiter: Chandra Examines Jupiter During New Horizons Approach