メタン燃料ロケットの実験
ネタ元:Science@NASA
原題:Methane Blast
出展のリリース日:2007-05-04

フェニックス
出展:XCOR Aerospace
2007年1月、カリフォルニア州モハーベ砂漠で新型のロケットエンジンのテストが成功した。
従来の固体燃料や液体酸素燃料とは異なり、メタンを燃料とする新型エンジンである。
このエンジンはメタンを単独で使用するのではなく、酸化剤として液体酸素も利用する。
Techsystems社とXCOR Aerospace社が、NASAの委託によって開発中なのだ。
メタン燃料は従来の液体酸素燃料と比較して、メリットが多い。
例えば、貯蔵温度だ。
液体酸素燃料はマイナス252.9℃が要求されるが、メタン燃料はマイナス161.6℃で済む。
冷却機構や断熱構造が簡易になるため、サイズやコストが有利になる。
メタン燃料は安全面でも優れている。
他の燃料は少なからず毒性がある。
しかしメタン燃料は、NASAの開発者がグリーン燃料と呼ぶほどクリーンなのだ。
メタンは天然ガスの主成分である。
地球上にだけでなく、タイタン、木星、土星、天王星、海王星にも豊富に存在する。
遠い将来、他の天体にメタン燃料の補給基地を設置すれば、地球から出発する宇宙船が搭載する燃料が少なくてすむだろう。
メタン燃料ロケットエンジンは、将来の太陽系探査ではぜひとも必要な技術なのである。
一方で技術的な困難もある。
点火源だ。
従来のロケット燃料は酸化剤と混合した瞬間に燃焼が開始する。
ところが、メタン燃料は酸化剤との混入後に点火源が必要になるのだ。
極低温など、深宇宙の環境下でいつでも使用可能な点火源の開発は頭の痛い問題だ。
今後も、実用化に向けて様々な問題が出てくるであろう。
今回のテストは成功だったとは言え、実用化までの道のりはまだ遠い。