フェルミ・パラドックスを語る。
フェルミ・パラドックスとは
我々の銀河系には、1000億の恒星が含まれている。
これだけ巨大なのだから、その中には、高度な文明を持った生命が棲む惑星も多くあるだろうと、過去から考えられてきた。
銀河系内に存在する文明を数を推定する方法として、ドレークの方程式がある。
ドレークの方程式で試算すると、多くの場合、銀河系内に10万〜1億程度の文明が存在すると算出される。
ところが、地球外文明の証拠となるようなものがまったく確認されていない。
異星の文明がごく普通の存在ならば、その文明の宇宙船が確認されたり、電波通信が傍受されたりしてもいいだろう。
しかし、このような事例は見つかっていない。
このように、異星の文明はたくさんあって当然という予測と、地球外文明の直接証拠の欠落は明らかに矛盾している。
この矛盾をフェルミパラドックスという。
フェルミとは、物理学者のエンリコ・フェルミのことである。
フェルミが同僚との昼食時にこの矛盾を話題にしたことから、フェルミパラドックスと呼ばれるようになった という逸話が残っている。
ただし、この矛盾を指摘した人物はフェルミが最初ではない。
フェルミパラドックスの解釈
フェルミパラドックスを解釈するための様々な理論が提示されているが、どれも仮説の域を出ていない。
これらの解釈は大きく3つに分類される。
解釈1:地球以外の文明は存在しない
知的生命への進化は、ほとんどあり得ない。
知的生命への進化はあっても、地球人ほどには発達しない。
生命は発達しても、多細胞生物への進化はほとんどあり得ない。
高度な文明に達しても、すぐに自滅してしまう。
解釈2:地球以外の文明は地球と接触できていない
電波で信号を送信しているが、地球がその周波数で受信していない。
高度な文明は多くあるが、通信や宇宙探査を行っていない。
地球が最も進歩した文明であり、他はこれから発展する。
お互いに聞き耳を立てていて、誰も発信していない。
解釈3:地球に接触しているが、気付いていない
地球外文明は地球の生命を保護動物として扱っていて、接触しない。
地球は下等すぎるので、相手にならない。
地球に来ているが、認識できない
なお、フェルミは1954年に他界した。
昼食時の逸話の真相は、今となっては確認できない。
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参考文献・サイト
スティーブン・ウェッブ「広い宇宙に地球人しか見当たらない50の理由」青土社,2004
2008/04/16