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フラウンホーファー線を語る。

トップページ太陽系の目次太陽フラウンホーファー線

フラウンホーファー線とは

プリズムに太陽の光を通すと七色に分解する。この七色をよく見ると、所々に暗い線が現れる。
この黒い線がフラウンホーファー線だ。

ここでは、フラウンホーファー線について基礎から説明しよう。



光の色とスペクトル

光の実体は電磁波という波だ。波の頂上から次の頂上までの距離を波長と呼ぶ。
電磁波の波長によって光の色は違ってくる。


視神経が、波長の長い電磁波をキャッチしたとき、人は赤さを感じ取る。
人間の視神経は「波長の違い」を「色の違い」として感じ取るのだ。

プリズムによる太陽光の分解
プリズムによる太陽光の分解
出展:The Department of Physics and Astronomy,The University of Iowa

光がプリズムを通過するときの屈折角は波長によって異なっている。
このため、太陽の光がプリズムを通過すると、光が波長ごとに分解され虹のパターンが出現する。


この虹のパターンをスペクトルと呼ぶ。

最初に光を研究したニュートンがスペクトルと呼んだのだ。



スペクトルが現れることから、太陽の光は様々な色(様々な波長)の光が合成されていることが分かる。
合成されていた光が、屈折角の違いによって波長ごとにバラバラにされたのである。



虹は七色と表現するが、太陽光のスペクトルを見ると、七色にくっきりと分かれているのではない。
紫から赤まで色が区切られることなく連続して少しずつ変化する。
このようなスペクトルを連続スペクトルという。



波長が少しずつ変化しているので屈折する度合いも少しずつ変化する。
このためスペクトルが連続スペクトルになるのである。



スペクトル中の暗線がフラウンホーファー線

太陽光のスペクトルを精密に観察すると、所々黒い線によって連続スペクトル分断されている部分がある。
ある波長だけ、狭く光が抜き取られているようだ。
太陽光は、連続スペクトルと言いながらも、実は不連続なのである。



このように連続スペクトルを分断する黒い線を暗線、またはフラウンホーファー線という。

フラウンホーファー線
矢印の部分がフラウンホーファー線
出展:The Spectroscopy Net



フラウンホーファー線は、研究者であるフラウンホーファー(1787-1826)の名にちなんだものだ。



フラウンホーファーは太陽スペクトルの中に570本の暗線を発見した。
さらに、この中で特に顕著な暗線に対しては、赤色側から波長の短くなる方向にA線、B線、C線、D線、E線、F線、G線、H線、K線と命名した。
つまり、フラウンホーファー線と言っても、多数の種類があるのである。

■次のページ:フラウンホーファー線は、なぜ現れるのか?

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参考文献・サイト

平山淳「現代天文学講座5 太陽」恒星社,1981
The Spectroscopy Net
With the right tools, astronomers decode the Nature’s cosmic messages in a beam of light.
太陽のフラウンホーファー線

2008/11/10
2009/12/26
2016/03/27



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