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天文年鑑〈2011年版〉
天文年鑑編集委員会
4416210175



藤井旭の天文年鑑―スターウォッチング完全ガイド〈2011年版〉
藤井 旭
4416210183

モホロビチッチ不連続面を語る。

モホロビチッチ不連続面とは

地殻マントルの境界面をモホロビチッチ不連続面という。



地震波は、地殻中を秒速6キロメートルで進む。
ところが、地震波がマントルに入ると、秒速約8キロメートルにスピードアップする。
スピードがだんだんと連続して変るのではなく、この面を境に突然変化することから、「不連続面」と言われている。



地震波の研究をしていたクロアチア人のモホロビチッチは、地下50kmくらいの場所を境に地震波の速度が突然変化することを突き止めた。(1909年)
このことから、この面をモホロビチッチ不連続面と呼ぶようになった。
略してモホ面という場合もある。



ときどき、モホロビッチという表現も見かけるが、これは誤りである。
「モホロビチッチ」であり、「チ」が二つ入る。

[誤]モホロビッチ
[正]モホロビチッチ




何が不連続なのか?

地中深くで地震が発生すると、震源から全方向へ向けて地震波が進んでいく。
ある地震波は地上へ向かい、別の地震波はさらに深く進んでいく。



地震波の密度は、地中の密度に依存する。
地中に向かうに従い、密度が少しずつ高くなるので、地震波のスピードも少しずつ連続して変化する。



ところが、地震波のスピードが「少しずつ変化」するのではなく、突然変化する場所が地下50kmにある。
スピードが秒速6キロメートルから、秒速7キロメートへ突如ジャンプするのである。



この面は地殻とマントルの境界で発生する。
地震波のスピードは、地殻中では連続して変化する。
ところが、マントルに突入した途端、スピードが急に速くなるので、この連続性は途切れてしまう。
つまり不連続なのだ。



この速度が不連続面に変化する面がモホロビチッチ不連続面なのである。




モホロビチッチ不連続面の特徴

走時曲線

震央距離と地震波の到達時間の関係を示したグラフを走時曲線という。



走時曲線を見ると、震央距離が大きくなると、ある距離から突如として地震波の速度が速くなる。
これは、モホロビチッチ不連続面よりも下側(マントル)を経由した地震波が、地殻中の地震波よりも早く到達したからである。

モホロビチッチ不連続面
地震波の経路
出展:Andrija Mohorovicic





地殻とマントル

やがて地中の構造が明らかになると、モホロビチッチ不連続面は、地殻マントルの境界面に相当することが確認された。
地殻は玄武岩質、マントルはかんらん岩質で出来ている。
この岩質の差が、地震波の速度の差になっている。



地殻の厚みは一定でない。
大陸地殻は厚いが、海洋地殻は薄いのだ。
このため、モホロビチッチ不連続面は、地殻に応じて深くなったり浅くなったりしているのである。

モホロビチッチ不連続面




モホロビチッチ不連続面はチベット高原の真下で最も深くなっている。




モホロビチッチとは、何者なのか?

モホロビチッチは、オパティヤ(クロアチアの町)の近くで、錨の鍛冶職人の子どもとして生まれた。
イタリア語、英語、フランス語、ドイツ語、ラテン語等をマスターしたが、科学の教員になった。

やがて地震学に興味を持つようになった。




その他の不連続面

モホロビチッチ不連続面以外にも、地球内部にはいくつかの不連続面がある。
それぞれ研究者の名に由来する。
すべて地震波の研究によって発見された。



コンラッド不連続面

大陸地殻では、モホロビチッチ不連続面の上側に別の不連続面がある。
これをコンラッド不連続面という。



大陸地殻は、コンラッド不連続面を境に上層部が花崗岩質岩石、下層部が玄武岩質岩石になっている。



グーテンベルク不連続面

マントルと外核の境界をグーテンベルク不連続面という。




レーマン不連続面

外核と内核の境界をレーマン不連続面という。




モホロビチッチ不連続面のFAQ

モホロビチッチ不連続面とは何ですか?

地殻マントルとの境界をモホロビチッチ不連続面といいます。




何が、不連続なのですか?

地震波のスピードは、地殻中では連続して変化します。
ところが、マントルに突入した途端、スピードが急に速くなります。 スピードが連続して変化しないので地殻マントルとの境界を不連続面といいます。






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地球惑星物理科学
Hole Drilled to Bottom of Earth's Crust, Breakthrough to Mantle Looms
Andrija Mohorovicic

2008/03/08
2008/09/20

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