ホーキング織野の

サラリーマン、宇宙る。

マントルを語る。

トップページ地球科学の目次地球の内部構造マントル

マントルとは

地球は外側から地殻マントルで構成されている。
これは、卵の殻・白身・黄身の三層をイメージすると理解しやすい。

地球の全体積のうち、マントルは70%を占めている。



マントルは、主にかんらん岩で構成される。
マグマが作られる場所もマントルだ。



マントルという言葉からドロドロの流動体をイメージする人がいる。
このイメージは誤りだ。
マントルはコチコチの固体である



ここで、マントル、マグマ、溶岩の区別を確認しておこう。

マントル地殻の下にある硬い層
マグママントルの一部が熱で溶けたもの
溶岩マグマが地上に出たもの




マントルの性質

地中を伝わる地震波のスピードは、地殻とマントルで異なっている。
地震波は地殻からマントルに入ると急激にスピードアップする。
つまり、地殻とマントルでは、地震波の速度の変化が不連続なのである。



このことから、地殻とマントルの境界面をモホロビチッチ不連続面と呼ぶ。
発見者モホロビチッチに由来する。
略してモホ面という場合もある。



マントルと地殻の化学的な組成は異なっている。
しかし、力学的な性質は、マントルの最上部と地殻は似通っている。
そこで、マントルの最上部と地殻を合わせてリソスフェアという。



リソスフェアの下がアセノスフェア、アセノスフェアの下がメソスフェアである。



地下深くなるにつれて、圧力が高くなる。
このような環境では鉱物の結晶構造や密度が変化する。
密度の変化は地震波の速度に影響する。



地下660kmには地震波の速度が急速に早くなる面がある。
この面より下が、メソスフェアになる。



マントルの最下層部を「D"層」と呼ぶ場合がある。




マントル対流

ヤカンの水をコンロにかけて沸かすと、対流が起こる。
最初に温まった水が膨張し密度が低下する。
見かけ上、軽くなるので浮き上がる。



代わって、加熱されていない水が下降し過熱されるのだ。



このように温度の違いによって、水が循環する現象が対流だ。
水に限らず、液体や気体全般で観察される現象でもある。



マントルはコチコチの固体であるが、ゆっくりと対流を起こす。
長い年月で見れば、流動体なのである。




マントル遷移層

岩石にとって最も安定な構造は温度や圧力によって異なる。
低温・低圧の環境で安定だった結晶構造も、高温・高圧の環境では違った結晶に変化する。
これを相転移という。



当然のことながら、地中深くに向かうに従い、温度・圧力が上昇する。
この環境変化によって、マントル内の深さ400〜700kmの領域で相転移が発生する。



この相転移を境にして、上側と下側で岩石の性質がまったく異なる。
地震波が伝わるスピードも違う。
岩石の結晶構造が違うからである。



地震波がこの相転移を通過するとスピードがアップする。
この部分をマントル遷移層という。




マントルのFAQ

マントルとは何ですか?

地球の内部構造の一部で、地殻と核の間にある部分がマントルです。
マントルの層は厚いため、地球の全体積のうち、マントルは70%を占めています。



マントルの主成分は?

マントルはかんらん岩を主成分としています。



マントルは液体ですか?

マントルは固体です。
コチコチの固体であるけれど、長い年月をかけ、ゆっくりと対流します。



マントルを直接調査できますか?

現在のところ直接調査できません。
2010年頃に、地球深部探査船「ちきゅう」が採掘によってマントルからサンプルを採取する予定です。

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参考文献・サイト

地球惑星物理科学

2008/02/16



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