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天文年鑑〈2011年版〉
天文年鑑編集委員会
4416210175



藤井旭の天文年鑑―スターウォッチング完全ガイド〈2011年版〉
藤井 旭
4416210183

二酸化炭素が増えると、なぜ地球が温暖化するのか?

物体はみな温度に応じた放射を出す。
放射によって熱を逃がすのだ。
これを放射冷却という。



熱いフライパンも放置しておけば、やがて冷える。
これなどは放射冷却の典型例だ。

一日の気温の変化は、放射によって説明できる。
日が昇ると、太陽からの放射が増加し地表が暖まる。
地表からも放射が出て熱を宇宙へ逃がそうとするが、太陽からの放射が上回っていれば、気温は上がる。



夕方から翌明け方にかけて、太陽からの放射が劣勢(または皆無)になり、地表から放射で熱が逃げていく。
夜間に気温が低下するのは、放射冷却が原因なのだ。



このように、気象における放射冷却は特別な現象ではく、日々起こっていることなのである。
冬場に気象情報で「放射冷却による冷え込み」のような表現を見聞きする。
放射冷却は冬場特有の現象ではなく、冬場はそれが顕著になるだけなのだ。



地球の気温は、太陽から受ける放射と、地球から出て行く放射の差し引きによって決まる。
理論的な計算によると、地球の気温は、マイナス15℃〜マイナス18℃になるという。
一方で、実際の地球の平均気温はプラス15℃である。



理論値と現実の値には、約30℃の差がある。
これは地球の放射冷却を邪魔する何かがあることを示唆している。



その「邪魔する何か」が、二酸化炭素をはじめとする水蒸気、メタン、亜酸化窒素などの気体である。
これらを温室効果ガスとよぶ。



地表から出た放射は、何もなければそのまま宇宙へと出て行くことになる。
ところが、温室効果ガスがあるとそうはならない。
放射は一度、温室効果ガスに吸収されるのだ。
つまり、宇宙へ出て行くはずだった熱を横取りするのである。




放射を吸収した温室効果ガスは、今度は全方向へ向けて放射を出す。
ということは、その中の一部は、地表へ戻っていくことになる。
この放射がまた地表を暖めるのだ。
これが温室効果のメカニズムである。




そのまま宇宙に逃げていくはずだった熱を、捕まえて地表に返すのが温室効果ガスの役割だ。
温室効果ガスの量が適度であれば、地球環境を適度な温度に保つことに寄与する。



しかし、温室効果は両刃の剣だ。
大気中の温室効果ガスの量が多くなると、危険極まりない。
入ってくる熱よりも、出て行く量が少ないのだから、大気圏内の温度がどんどん高くなる。
高温で水蒸気が増えれば、さらに温室効果に拍車がかかる。



気温も海水温も上昇し、海流が変わり、気候が変動する。
漁獲量や農作物の収穫にダメージが出る。
氷が溶けて海面が上昇し、陸地が水没する。
人類どころか生命全体の存在にとって脅威となるだ。

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