ホーキング織野の

サラリーマン、宇宙る。

シュバルツシルト半径を語る。

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ブラックホールの境界面:シュバルツシルト半径

ブラックホールとは自分の重力によって押しつぶされ、質量が一点に集まり無限に小さくなった天体である。
この中心を特異点という。



ブラックホールの周囲の重力は非常に強い。ある距離より近づくと、二度とこの世に戻って来ることができなくなる限界がある。
この限界が事象の地平面だ。



シュバルツシルト半径とは、ブラックホールの中心(特異点)から事象の地平面までの距離のことである。
ブラックホールの大きさは、シュバルツシルト半径で表現する。
シュバルツシルト半径



事象の地平面を実質的なブラックホールの表面と考えていいだろう。 しかし物理的な表面があるわけではなく、事象の地平面の内側と外側では空間が連続しているので、そこに特別な面があるように見えない。



事象の地平面に入っても外側を見ることはできる。
だが、もう外に出ることは不可能であり、質量が集中した中心(特異点)に向かって引き寄せられていくことになる。





ブラックホールの大きさは、シュバルツシルト半径で示す

ブラックホールは重力が強いため巨大なイメージがあるが、そうとは限らない。 理論的には小さな領域に物質が極限までギュウギュウに詰まればブラックホールになりえるのですから、サイズに制限はないのだ。



理論上は、いくらでも巨大なブラックホールはあり得る。反対にミクロサイズのブラックホールだって想定可能なのだ。



ここからは自然界に実在するブラックホールの話に限定しよう。
事象の地平面を超えてブラックホールに入った宇宙船は、どんなに高性能であったとしても二度と出てくることは不可能だ。



ブラックホールの中心(特異点)から事象の地平面までの距離がシュバルツシルト半径であるが、太陽質量の10倍のブラックホールであっても、そのシュバルツシルト半径は約30キロメートルでしかない。
ブラックホールは意外と小さいのだ。



銀河の中心には巨大なブラックホールが潜んでいると考えられており、その質量は太陽の数百万倍もある。
このクラスのブラックホールになるとのシュバルツシルト半径もさすがに大きく300万キロメートルにもなる。
ところで太陽の半径が約70万キロメートルであることを考えると、銀河中心の巨大質量ブラックホールのシュバルツシルト半径は太陽のたった約4倍なのだ。



ブラックホールがいかにコンパクトなのか、言い換えるといかに狭い領域に物質が集中しているかが分かる。
巨大なブラックホールはサイズが巨大なのではなく、質量が巨大なのだ。

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参考文献・サイト

Black Holes
Black hole monster in a spin releases energy!
Where are the supermassive black holes hiding?

2012/07/08
2015/06/06



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