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藤井旭の天文年鑑―スターウォッチング完全ガイド〈2011年版〉
藤井 旭
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ブラックホールの物理を語る。

トップページ宇宙論の目次ブラックホールの物理

ブラックホールとは

極めて強力な重力のために、光も脱出できないような天体をブラックホールという。
ブラックホールに入った物体は、強力な重力で引きずり込まれるので、二度とブラックホール外に出ることはできない。
光も脱出できないので、見ることはできない。
宇宙にある真っ暗な穴なのだ。



ブラックホールは未知の天体だ。
ブラックホールに落ち込んだ物体がどうなるのかは分かっていない。




ブラックホールは見つかったのか?

見えないはずのブラックホールが、どうして実在するといえるのか?



ブラックホールも星である。
他の恒星と連星になる場合がある。



相棒の恒星からガスがブラックホールへ吸い込まれるときにX線を放射する。
この場所はブラックホールの外にあるので、ブラックホールから逃れることができるのだ。
こうして発見されたブラックホールの第一号が はくちょう座X-1である。




ブラックホールのサイズ

成因の異なる3種類のブラックホールがある。
これら3種類のブラックホールは、サイズが違う。



通常のブラックホール

太陽の約30倍以上の質量を持つ恒星が進化の果てに到達するのが、通常のブラックホールである。
恒星ブラックホールと言われている。
[..さらに詳しく見る..]




中質量ブラックホール[IMBH]

太陽質量の1万倍程度のブラックホールを中質量ブラックホールという。
IMBHと楽されることもある。



M82 X-1は、中質量ブラックホールの候補である。




巨大ブラックホール

銀河系の中心には、太陽の約100万倍以上の質量を持つブラックホールが存在する。
他の銀河の中心にも、このクラスのブラックホールが確認されている。



特にM106の中心にあるブラックホールは巨大だ。
太陽質量の3600万倍もある。





ブラックホールの種類

シュヴァルツシルト・ブラックホール

通常のブラックホール。



カー・ブラックホール

自転しているブラックホールをライスナー・ノルドシュトルム・ブラックホールという。



ライスナー・ノルドシュトルム・ブラックホール

電荷を持つブラックホールをライスナー・ノルドシュトルム・ブラックホールという。



ブラックホールの性質

シュヴァルツシルト半径

強力な重力場のため、光が脱出できない領域の半径をシュヴァルツシルト半径という。

ブラックホールのサイズは、シュヴァルツシルト半径で表現する。




事象の地平面

シュヴァルツシルト半径の内側は入った物体や光は出ることができない。
このため、シュヴァルツシルト半径の内部は知ることができないのだ。



この境界面を事象の地平面、または事象の地平線という。



余談):限りなく遠い将来、恒星間旅行が実現した場合「事象の地平線に近づくな」という運行ルールが制定されるだろう。




ブラックホールの発見法

ブラックホールは重力によって、周囲の物質を引きずり込む。
このとき、物質はそのままブラックホールに落下するのではなく、降着円盤を形成する。
降着円盤内の物質(ガスや塵)は螺旋(らせん)を描きながらブラックホールへと落ち込んでいく。



このとき、ガスや塵がぶつかり合い、摩擦熱が発生する。
これが放射のエネルギー源になって、事象の地平線の外側でX線ガンマ線が放出するのである。




ホーキング放射

ホーキング放射は、ホーキングによって提示された仮説である。
ブラックホールは、熱放射を放出している。



ブラックホールは、ホーキング放射を通してエネルギーを捨てるので、時間をかけて質量は減少する。




ブラックホールの内部

ブラックホールの中心を特異点といい、特異点からシュヴァルツシルト半径の距離にある面が事象の地平線だ。
事象の地平線よりも内側がブラックホールとなる。

事象の地平線がブラックホールの表面を示すことになるが、眼に見える面が存在するのではない。



特異点と事象の地平線の間がどうなっているのかはわかっていない。




ブラックホールが原因の天体

はうちょう座X-1

はくちょう座X-1は、X線源であり、ブラックホールの最有力候補である。
O型青色超巨星(HDE226868)とブラックホールの連星系である。


はくちょう座X-1
出典:NASA



ブラックホールの周囲の降着円盤に含まれる物質が、摩擦によって非常に高温になる。
この高温のため降着円盤は、X線を放射するのである。




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