アイソスタシーを語る。
アイソスタシーとは
家やビルなどを建設する場合、地面を掘って基礎を作る。
基礎を作っておかないと、建築物を維持できなくなるので、基礎は重要だ。
より高い建築ほど、より深い基礎が必要である。
一軒家に比較して、高層ビルの基礎は、深く作られている。
これと同じことが地形にも言える。
高い山の直下の地殻は、非常に厚く深くなっている。
反対に平地の直下の地殻は、薄く浅いのだ。
マントルと地殻の境界は均一ではない。
地形に応じて、深くなったり浅くなったりしているのである。
水に木材を浮かべると、一部は水面上に出て、それ以外は水面下に沈む。
さらに大きな木材を浮かべると、水面上に出る部分は増えるが、同時に水面下に沈む部分も大きくなる。
浮かぶ物体は、水面上のサイズが大きいほど、水面下の部分も深いことが理解できる。
これは、水が木材を押し上げようとする浮力と、木材が自重で沈もうとする重力がバランスを保っている状態だ。。
地殻はマントルに浮かんでいると考えていい。
地殻の厚みは、場所によって異なる。
厚い地殻は、より深くマントルに沈んでいる。
例えば、高山は標高が高いが、マントルに沈んだ部分も深い。
マントルが地殻を押し上げようとする浮力と、地殻が自重で沈もうとする重力がバランスを保っていると考えればいい。
このように、地殻がマントルに浮かんでいるという考え方をアイソスタシーという。
アイソスタシーは「地殻均衡」ともいう。
アイソスタシーの性質
地殻とマントルの境界面をモホ面という。
高山の真下のモホ面は深く、モホ面にかかる圧力も大きい。
最も深いモホ面と同じ圧力の面を地殻均衡面という。
地殻均衡面は、その地域で最も深いモホ面と同一の深さにある面と思えばいい。
水に浮かべた木材の上に氷を乗せると、重さに応じて木材は少し沈む。
ところが、氷が融けると木材は再び浮き上がる。
地殻でも同じ現象が起きる。
氷河時代が終わって氷河が溶けると、地殻が軽くなる。
このため、地殻が隆起するのである。
地球温暖化の影響で、もし南極大陸の氷がすべて融けたら、アイソスタシーのため南極大陸は50m程度上昇するという試算もある。
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参考文献・サイト
2008/02/16