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月を語る。

地球の唯一の衛星が月である。
月は地球に最も近い天体である。
人類が、直接訪れた天体は月しかない。


月は地球の周囲を約1か月かけて公転するため、地球から見た太陽と月との角度が変化する。
このため、月の太陽光があたるエリアが変化し、月の満ち欠けが発生する。


月と地球が相互に及ぼしあう引力は大きい。
このため、地球では潮の満ち干きが発生する。
大気も同様に満ち干きしているのだが、人間には分かりにくい。


月は潮汐作用のために自転周期と公転周期が一致している。
月はいつも同じ面を地球に向けているのだ。
これは、珍しいことではない。
ガリレオ衛星など、自転と公転が1:1になっている例は他にもある。


月の全表面の50%は絶対に見えないと考えがちになるが、そうではない。
月は地球に対する向きをわずかに振るので、長期にわたり丹念に観測すると月の全表面の59%程度を見ることができる。
この現象を秤動という。
地球から絶対に見えない領域は約40%程度なのだ。


地球は以前、もっと速く自転していた。
それが、長い年月の間の潮汐作用によって、自転にブレーキがかかり今の自転周期になったのだ。


自転周期はこれからも少しずつ短くなっていく。
月もその反作用で地球からだんだんと遠ざかる。
これは、地球の自転周期と月の公転周期が一致するまで継続する。


月は大小さまざまなクレーターに覆われた岩石と砂ばかりの荒涼とした世界だ。
表面を覆う砂状の物質をレゴリス[regolith]という。
レゴリスとは隕石の衝突によって生成された、微粒子と石片の混合物だ。


クレーターの成因を巡って、過去には火山説と隕石説が対立していたが、現在では隕石説で決着している。
月の内部の活動はすでに停止している。


月の表面は大きく二つの領域に分けられる。
クレーターに覆われた高地と、「」と呼ばれる平地だ。
海は巨大な隕石の衝突でクレーターが生成し、その後、割れ目から噴き出たマントルがクレーターの底部を満たしたものだ。


海にはみな、名称がついている。
奇妙なことに、月の裏側には目立った海がない。
目立つクレーターにも、名前が与えられている。


月には大気も水もないと考えられてきた。
ところがこれは事実ではない。
月はアルゴンでできた極めて薄い大気を持つ。大気の総質量は月全体で40トンである。


水はないが、水の氷はある。 クレメンタインルナ・プロスペクターの探査によって、決して太陽光のあたらない極地のクレーターの底に、氷が存在する証拠が確認されている。


月の重心は、中心から約2kmずれている。
中心から地球側へ約2kmシフトした場所に重心があるのだ。


月の起源の学説はいくつかあった。
アポロ計画によって持ち帰られた月の石の研究によって、月の表面はかつて非常な高温にであったことが確認された。
これにより、火星クラスの天体が地球に衝突し、その破片によって月が生成したと考える学説が最有力になった。
この説をジャイアントインパクト説という。


アポロ計画では月に地震計を設置した。
これにより、一年間に平均して3000回程度の地震が発生していることが明らかになった。
月で発生する地震を月震という場合もある。


アポロ計画の時代、月は学術的興味の対象として探査された。
(国力のデモンストレーションとしての意味もあったが)
これに対し21世紀初頭の月探査は、近い将来の月資源利用に向けた基礎調査の色合いが強い。


2007年以降、かぐや(日)、じょうが1号(中)、LRO(米)、エルクロス(米)、チャンドラヤーン1(印)が連続して月探査に向かう。




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