ホーキング織野の

サラリーマン、宇宙る。

ロゼッタオービター

彗星探査機ロゼッタは、本体であるオービターと着陸機ランダーから構成されている。
オービターを単体でロゼッタと呼ぶこともある。


オービターを見て、まず目立つのは両側に翼のように延びた太陽電池パネルだ。
幅14メートルの太陽電池パネルを左右に取り付けているため、オービターの全幅は32メートルにも及ぶ。


太陽から8億キロメートル離れた宇宙空間で、受け取る太陽放射のエネルギーは地球軌道付近の4%程度でしかない。
このような環境では、太陽電池は期待できので、小惑星帯よりも遠方へ向かう探査機は原子力電池を搭載するのが常識なのだ。


この常識を打ち破り、小惑星帯以遠の探査を太陽電池のみでチャレンジするのがロゼッタのオービターだ。
そのために開発されたシリコン製の低反射太陽電池パネルは、片側だけで面積が32平方メートルあり、太陽から5AU離れていても約400ワットの電力をオービターに供給することができるのである。


地球からロゼッタまで電波のスピードでも片道50分かかる。
アクシデントが突発したとき、地球から遠隔操作でロゼッタを制御することはできない。
従って、ロゼッタは自ら危険を察知し、自らの判断で回避行動をとらなくてはならないのだ。
このような自律制御システムは、中央のアルミニウム製のペイロードの下部に格納されている。


太陽電池や自律制御システムなど高度なテクノロジーに比較して、一見地味だが欠かすことのできない技術が温度管理だ。


ロゼッタが向かう先は、太陽から8億キロメートルの距離にある極寒の深宇宙である。
そこでチュリュモフ・ゲラシメンコ彗星と遭遇したロゼッタは、彗星に追走して太陽間近の内惑星系へと進入する。


この行程でロゼッタが体験する温度差は、装置にとって大きなストレスとなるものだ。
日本を出発した旅行者が、北極圏を経由して赤道直下へ向かうようなイメージだ。
ロゼッタの各所には、ヒーターが備えてあり燃料タンクや姿勢制御用のジェットを保温する。
一方、太陽近傍ではラジエータによって廃熱しオーバーヒートを防止する。


地球との通信は中央部のパラボラアンテナが担当する。
パラボラアンテナの直径は2.2メートルもある。


ロゼッタはこの他にもペイロードに11種類の観測機材を、アンテナの反対側にランダーを搭載している。

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参考文献・サイト

ESA

2008/01/31



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