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藤井旭の天文年鑑―スターウォッチング完全ガイド〈2011年版〉
藤井 旭
4416210183

ハドレー循環を語る。

ハドレー循環とは

大気循環

地球は太陽から熱を受けている。
しかし、太陽の熱は均等に地球を暖めるのではない。
低緯度(赤道付近)が太陽から受ける熱量は多く、緯度が高くなるにつれ受ける熱は少なくなる。



このため、大気の温まり方が緯度によって違ってくる。
空気は温まるほど密度が薄くなり上昇しやすい。
反対に冷えた空気は下降する。



大気の温まり方の違いが原因となって地球の大気は、大規模に循環する。
これを大気循環という。




ハドレー循環

大気循環には、ハドレー循環フェレル循環極循環の3つがある。

ハドレー循環
赤道から南北30度に至る循環がハドレー循環だ。
出典:Ocean Surface Topography from Space



ハドレー循環は、赤道から北緯・南緯30度の間で起こる大気の循環である。
偏西風、貿易風の原因となる循環がハドレー循環だ。




ハドレー循環の性質

赤道付近は、太陽熱を多く受けるため空気は軽くなり上昇する。
空気は次々に上昇するので、先に上昇した空気は極方向に押しやられる。
緯度30度付近まで移動すると、冷えて下降し、地表付近を流れて赤道部へ戻る。



この一連のプロセスがハドレー循環だ。



緯度30度付近で下降するので、この付近の気圧が高くなる。
この付近一帯が亜熱帯高気圧帯である。



亜熱帯高気圧帯から赤道部へ戻る風が貿易風である。
亜熱帯高気圧帯から極へ向かう風が偏西風である。



ハドレー循環発見の歴史

ハドレー循環は、1735年にジョージ・ハドレーが発見した。
ジョージ・ハドレーは法律家であって学者ではない。
一人のアマチュアとして気象に興味を持っていた。



従来からあった貿易風、偏西風の説明に納得ができず、ハドレーは独自に大気循環の仮説を提示した。
後にこの仮説が正しいことが認められ、ハドレー循環と命名された。



他の天体のハドレー循環

金星

金星の高層大気は4日間で金星を循環する。
このような速い気流をスーパーローテーションと呼ぶ。



スーパーローテーションの原因は分かっていないが、金星の大気中のハドレー循環が赤道部上空の大気を加速させているという仮説がある。




火星

火星の大気は薄い。
このため、火星のハドレー循環は赤道から極付近までの範囲で循環する。



マーズグローバルサーベイヤーが、2002年1月に大規模な嵐を撮影した。
これは、ハドレー循環の下層側の気流によって発生した現象である。






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