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天文年鑑〈2011年版〉
天文年鑑編集委員会
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藤井旭の天文年鑑―スターウォッチング完全ガイド〈2011年版〉
藤井 旭
4416210183

火星を語る。

トップページ太陽系の目次火星

火星太陽系の第4惑星である。



火星は地球型惑星であり、約687日かけて太陽を公転する。
直径は地球の半分程度であるが、自転周期は24時間37分、地軸の傾きが25.19度、四季があるなど、火星には地球に似ている一面もある。

火星
Mars Global Surveyorが撮影した火星
出展:JPL:Mars Exploration Program



火星は二酸化炭素を主成分とする非常に薄い大気を持つ。
地表での気圧は地球の150分の1程度(約6ヘクトパスカル)しかない。

大気が薄いため、熱を保持することができない。だから火星は寒い。
火星の気温はマイナス140℃〜プラス20℃しかない。
(詳細→火星の気候を語る。)


探査機の調査によって、火星の表面に川の痕跡や、水による侵食の形跡が多く発見された。
このため火星は35億年前には大量の水があったことが判明している。
特の火星の北半球には、大きなサイズの海があったと考えられている。


火星の地形は、クレーター、渓谷、死火山、溶岩の平原等で変化に富んでいる。
このような火星表面の地形は、同時期に作られたのではなく40億年近い火星の歴史のなかで、少しづつ形成されていったのだ。
(詳細→火星の地質年代を語る。)


地球と火星
地球と火星
出展:ESA:Geography of Mars

火星は地球の半分の大きさしかないが、火星の山や谷はスケールが大きい。

火星最大の火山オリンポス山は、同時に太陽系最大の火山でもある。
width="35% オリンポス山は標高が2万5000メートルもある。エベレストの3倍だ。



マリネリス渓谷も地球での常識を超えたサイズである。
総延長はニューヨークからロスアンゼンルスにまで及ぶ。



しかし、火星は地質学的な活動を停止しているため、活動している火山は一つもない。
かつて火山活動が活発であった時期には、気圧は現在より高かったと予測されている。
大気中に火山性のガスが供給されるためだ。



このため、液体の水も火星表面で維持されるため、当時の火星は温暖湿潤であり、生命が誕生する環境が整っていたことが確実視されている。



火星の北極と南極は氷とドライアイスで覆われている。
これを極冠という。
極冠は夏場に減少し冬場に発達する。



極冠の減少と発達によって、大気中の二酸化炭素を25%増減する。
これによって、この効果によって、火星全土に強風が発生する。


マーズオデッセイの観測によって、火星の地下1メートル未満の領域には、大量の氷が存在することが確認された。
仮にこれらの氷が、すべて溶けた場合、火星は水深11メートルの水で覆われる計算になるという。
かつて大量に存在した水は、氷となって地下に蓄えられているようだ。



また、マーズグローバルサーベイヤーが、水の流れたような後を発見した。
地下の氷が溶け、間欠泉のように地上に染み出ることもあると考えられている。



このため、火星にはかつて生命が発生し、今もなお微生物が水分のある地中で生き続けているのではないかという期待もある。
火星探査機フェニックスは、地下の氷が豊富な極地に着陸し、土壌をロボットアームでサンプリングして火星の過去の地質を調査した。



火星は二つの衛星を持つ。 フォボスダイモスだ。
どちらも、小さく、形がいびつである。
過去に火星の引力が捕らえた小惑星という考えが有力だ。
将来の火星探査として、フォボスからサンプルリターンする探査計画も進行中である。

SNC隕石

火星を起源とする隕石をSNC隕石という。
現在までに30個以上が回収されている。

SNCとはシャーゴッタイト、ナクライト、シャシナイトのイニシャルである。
シャーゴッタイト、ナクライト、シャシナイトは、それぞれ別の場所で発見された隕石であるが、後に共通の起源(火星由来)であることが確認された。



その後、シャーゴッタイト、ナクライト、シャシナイトのイニシャルを用い、火星由来の隕石をSNC隕石と呼ぶようになった。




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