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シリウスを語る。

太陽を除外すれば、全天で最も明るい恒星がシリウスだ。
おおいぬ座のアルファ星でもある。

シリウスは、こいぬ座プロキオンオリオン座ベテルギウスとともに冬の大三角形を形作る。


19世紀前半、ベッセルはシリウスがフラフラ動く現象を解析し、未知の伴星の存在を予言した。
公転する伴星が引力によって、シリウスを引っ張るからフラフラすると考えたのだ。
その後、1862年にクラークがシリウスは実視連星であることを眼視観測によって確認した。



これ以来、主星をシリウスA、伴星をシリウスBと呼ぶ。
シリウスAはA型の主系列星であるが、シリウスBは白色矮星である。
なお、シリウスBは白色矮星発見の第一号である。


ハッブル望遠鏡によるシリウスのアップ。かすかにシリウスBが写っている。
出展:NASA:Hubble Site



シリウスBの質量は太陽の1.1倍、表面温度は1万度もある。
太陽の表面温度は6000度だ。
太陽並みの質量と太陽以上の表面温度を持ちながら、シリウスBは非常に暗く実視等級は8.5等でしかない。



表面温度が高いにも関わらず暗いということは、シリウスBが極めて小さい星であるからだ。
シリウスBの直径は11700kmしかない。
地球よりも小さい星なのだ。



太陽の1.1倍の質量が、地球よりも小さいサイズにまとまれば、その密度は非常に巨大なものとなる。
シリウスBの密度は太陽の9万倍、重力は太陽の1万倍にもなる。



シリウスA、シリウスBは数億年前に連星として誕生した。
誕生時の質量はシリウスAが太陽の2倍、シリウスBが6〜7倍であった。
シリウスBは重いため寿命が短い。
たちまち主系列を離脱し、ミラ型の変光星になった。



ミラ型の変光星でいる期間は極めて短い。
たったの10万年だ。この間に外層のガスが宇宙空間に逸散しコアが残る。
こうして、シリウスBは白色矮星になったのだ。



シリウスBが白色矮星になったのは数十万年前だ。
人類の祖先がアフリカで誕生したのは500万年前である。
シリウスBの変化は、ごく最近の出来事なのである。





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二間瀬敏史「図解雑学 巨大望遠鏡で探る宇宙」ナツメ社,2006

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