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月の起源を語る。

月は、どのような過程を経て誕生したのか。
この謎を巡る論争は古くからあった。
現在、月の起源に関する仮説は主に4つに集約されている。

概要
分裂説原始地球の一部が遠心力で分離した。
捕獲説別のところで誕生した月が、宇宙を漂ううちに、地球の重力に捕獲された。
双子説ガスやチリが集まって、地球と同じように同時に誕生した。
ジャイアント・インパクト説原始地球に巨大な天体が衝突し、そのときに飛び散った破片が軌道上で合体して月になった。


双子説、分裂説、捕獲説はどれも現実との矛盾を完全に避けるはできず、今日では否定的な見方が強い。
その中で、ジャイアント・インパクト説は反証も少なく、現在最も有力視される説である。



分裂説

分裂説はジョージ・ダーウィン(1845-1912)によって提唱された。
この説では、原始地球が高速で自転し、その遠心力で原始地球の一部が分離して月になったとしている。
しかし、微惑星の衝突だけで月を分離させるほどの自転速度を得るとは不可能であることから、この説には無理がある。


なお、余談ではあるが、提唱者ジョージ・ダーウィンは「種の起源」のチャールズ・ダーウィンの2番目の息子である。



捕獲説

地球とはまったく離れた場所で誕生した月が、宇宙を漂ううちに、地球の重力に捕獲されて衛星になったとする説である。
もし、この説が正しいとすると、岩石などに含まれる同位体元素の比率が地球と月とでは異なるはずである。
ところが、アポロ計画で持ち帰られた月の石の分析により、同位体元素の比率は地球のものに類似していることが確認された。
このことから、月は異なる場所で誕生したとする捕獲説には矛盾があることになる。



双子説

同位体元素の比率が地球と月で似通っていのであれば、それは地球と月が同じ場所で作られたことを意味する。
従って、双子説が有力になるかと思えるがそうはいかない。
月と地球のマントルを比較すると、月には揮発性の元素が極端に少ないことが確認されているのだ。


揮発性の元素が極端に少ないことは、月がかつて非常に高温だったことを意味する。 月と地球が同じ場所で同じ時期に誕生したとすると、月だけが高温にさらされたことを適切に説明することができない。 このことから、双子説も否定されることになったのだ。



ジャイアント・インパクト説

双子説、分裂説、捕獲説の矛盾を解消するために提唱された仮説が、ジャイアント・インパクト説だ。
できたばかりの地球に火星程度のサイズの天体が衝突し、飛び散った破片を元に、月が形作られたと考えている。



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参考文献・サイト

白尾元理「月のきほん」誠文堂新光社,2006
Wikipedia「Moon」
Wikipedia「月」

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