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白色矮星を語る。

白色矮星とは

白色矮星と恒星の末路

白色矮星とは寿命を終えた星である。
恒星(主系列星)は核融合反応によって光と熱を発している。



しかし、核融合反応はいつまでも続くことはできない。
燃料を使いきれば核融合反応が終了する。
このような星が白色矮星である。



核融合反応が終了しても、余熱が残っている。
白色矮星は、余熱で光と熱を発しているが、やがて冷えていく運命にある。




主計列星から白色矮星へ

恒星の末路は、主に3つのパターンがある。
白色矮星、中性子星ブラックホールだ。
恒星がどの末路を選ぶかは、その恒星の質量によって決まる。


質量末路
太陽の約8倍以下外層のガスを逸散し白色矮星になる
太陽の8〜10倍超新星爆発を起し中性子星になる
太陽の10倍以上超新星爆発を起しブラックホールになる



恒星は中心部での核融合反応によって光輝く。
この核融合反応が進むと、恒星の中心に反応によって生成されたヘリウムのカタマリの芯ができる。
このため、今までは中心部で起こっていた核融合反応も、ヘリウムの周りで起こるようになる。



このように核融合反応が起こる場所が外側に行くことによって星全体が膨らみ始める。
これが赤色巨星である。



赤色巨星の外層は重力による束縛が弱いので、ガスは容易に宇宙空間へと離散してしまう。
一方で、赤色巨星の中心には、核融合反応の結果生じたヘリウム(または、それ以上に重い元素)の芯が出来上がる。



外層のガスがすべて散逸すると、この芯がムキ出しになる。
これが白色矮星だ。



生まれたばかりの白色矮星は、散逸ガスが球殻状に取り囲まれている。
この球殻状のガスが白色矮星によって照らされたものが惑星状星雲である。
M57(こと座の環状星雲)M27(こぎつね座の亜鈴状星雲)が有名である。


M57 中央に白色矮星が見える。
出展:NASA:Hubble Site



白色矮星は、核融合反応が終わった天体なので、内部にエネルギー源を持たない。
そのため、余熱のみで輝いている。
白色矮星は、冷めつつある天体なのだ。



白色矮星は、「白色」とは限らない。
表面の温度が低下するに従って、表面の色(スペクトル型)が変化していく。
温度が十分に下がれば、赤い白色矮星もありえるのだ。



余熱も無くなれば、電磁波を放たないため、まったく観測することができなくなる。
このような状態を黒色矮星という。



しかし、白色矮星が放熱によって黒色矮星に変化するには、数百億年の時間がかかる。
宇宙が誕生してから137億年なので、宇宙にはまだ黒色矮星は存在していないと考えられている。



白色矮星は後はただ冷えていくだけの運命にある。
しかし、この白色矮星も、もし恒星と近接連星であった場合、華々しい表舞台に再び立つ可能性もある。
相手の恒星のガスが白色矮星の表面に流れ込み、限界を超えると核融合が起こる。



このときの爆発によって輝いた星が新星である。



最初に発見された白色矮星はシリウスB(シリウスの伴星)である。


ハッブル望遠鏡によるシリウスのアップ。かすかにシリウスBが写っている。
出展:NASA:Hubble Site




HR図と白色矮星

HR図を見ると、白色矮星は左下(Bの場所)にプロットされる。
この場所は「暗くて高温の星」を表している。



主系列星は「高温ほど明るい」のが常識だ。
ところが、白色矮星は「高温なのに暗い」のである。
高温ほど、たくさんの光を放つにも関わらず暗いということは、その星の「表面積が狭い」ということを示している。



「表面積が狭い」とは、その星が小さいということだ。
白色矮星は小さいのである。
太陽程度の質量が、地球程度のサイズに縮んでいるので、白色矮星は非常に密度が高いのだ。




白色矮星の構造と分類

電子や中性子は接近すると、お互いに退けあおうとする。
この作用を縮退圧という。



主系列星は、自重で縮小しようとする力と、核融合で膨張しようとする力がバランスしていた。
白色矮星では、自重で縮小しようとする力と、電子の縮退圧がバランスしているのである。



白色矮星は非常に密度が高いため、引力が大きい。
取り囲んでいたガスをすべて失うことはない。
一部のガスは引力によって、白色矮星の周囲に留まり、白色矮星の大気となる。



星をスペクトルによって分ける方法をハーバード分類法という。
ハーバード分類法はO型、M型、G型といった呼び方で知られている。
この分類方法の拡張版として、白色矮星をスペクトルで分類する方法が提案されている。



白色矮星はD型として位置づけ、さらに大気を構成する元素によって次のように分類する。

DA型大気中に水素の多い白色矮星
DB型大気中に中性のヘリウムの多い白色矮星
DO型大気中にイオン化されたヘリウムの多い白色矮星
DQ型大気中に炭素の多い白色矮星
DZ型大気中に金属元素の多い白色矮星
DC型大気中に上記の特徴のない白色矮星
DX型大気中の元素が不明な白色矮星



このルールによると、シリウスBはDA型に分類される。



これら白色矮星の分類は、さらに温度によって9段階に区分される。
例えば、シリウスBはDA2となる。



白色矮星は高温のため、構成している元素はプラズマ状態となっている。
ところが、すこしずつ冷えてくると、プラズマで居られない。
白色矮星の中心部から結晶化されていく。



銀河の構造の調査結果から、観測にかからない物質が多く存在していることが分かっている。
このような物質をダークマターという。 ダークマターは、実際に見える物質の5倍以上存在すると見積もられている。



ダークマターは分かっていないが、白色矮星がその候補として考えられている。



白色矮星以外にも、褐色矮星中性子星ブラックホールがダークマターの候補になっている。
これらをまとめてMACHO[マッチョ:Massive Compact Halo Object]と呼ぶ。




チャンドラセカール限界

太陽のおよそ1.44倍以上の質量を持つ白色矮星は存在しない。
「太陽の1.44倍」というラインを、チャンドラセカール限界という。



白色矮星は自重で収縮しようとする作用と、電子の縮退圧(反発しあう作用)とがバランスして星をサイズを保っている。



1.44倍を超えるような質量では、自重が電子の縮退圧に勝つため、白色矮星はさらにつぶれ、中性子星になってしまうのだ。



太陽質量の1.44倍を超える白色矮星は存在しないのである。




白色矮星の例

みずがめ座AE [AE Aqr]

パルサー中性子星と相場が決まっていたが、白色矮星のパルサーも発見されている。
エックス線天文衛星「すざく」により、みずがめ座AEがX線のパルスを放っていることが確認されている。




ヴァン・マーネン星

ヴァン・マーネン星はうお座にある白色矮星である。
白色矮星としては、シリウスB、プロキオンBに続いて太陽系に3番目に近い。
シリウスB、プロキオンBも伴星である。
単独の白色矮星としては、ヴァン・マーネン星が最も太陽系に近いことになる。
その距離は14.1光年である。




PG 1159-035 [GW Vir]

PG 1159-035はおとめ座にある白色矮星になりかけの天体である。
変光星でもあるので、GW Virという名称も持つ。




銀河系最古の白色矮星

さそり座球状星団M4の中には銀河系最古の白色矮星がある。
その年齢は120〜130億年程度だ。



白色矮星の初期の表面温度や冷えていくスピードは、理論的に把握されている。
観測によって、現在の白色矮星の表面温度が分かれば、理論と照合し白色矮星になってから現在までの時間を推定できるのである。




その他の矮星

矮星には次のような種類がある。

褐色矮星小さすぎて核融合を起こせなかった星
赤色矮星非常に小さく、低質量な主系列星
青色矮星末期の赤色矮星
白色矮星太陽クラスの主系列星の末路の星
黒色矮星時間が経過し、冷え切った白色矮星






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参考文献・サイト

Science
Imagine the Universe:White Dwarfs
Encyclopedia of Science:white dwarf
White Dwarf Pulses Like a Pulsar
White Dwarf
Chandra X-ray Observatory:White Dwarfs & Planetary Nebulas
「すざく」、白色矮星パルサーを発見
Hubble Uncovers Oldest "Clocks" in Space to Read Age of Universe

2007/05/19
2008/01/27

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