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天文年鑑2015年版
天文年鑑編集委員会
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宇宙背景放射を語る。

トップページ宇宙論の目次宇宙背景放射

宇宙背景放射とは

宇宙は飛び交う電磁波で満たされている。
宇宙のあらゆる方向から、様々な周波数の電磁波が放射されている。
これを宇宙背景放射という。



宇宙は電波で満たさせている。
それが宇宙背景放射のイメージだ。



宇宙背景放射には、マイクロ波X線ガンマ線など様々な電磁波がある。

その中でも特に代表的なのは宇宙マイクロ波背景放射だ。
略してCMBという。



単に宇宙背景放射といった場合は、この宇宙マイクロ波背景放射を指す場合が多い。




宇宙マイクロ波背景放射とは

宇宙は膨張しつつある。
ということは、昔は宇宙の体積は小さかった。
密度も大きく、温度も非常に高かった。



温度が高い状態だと、原子は電離してプラズマ状態になる。



プラズマ状態の密度が高いと、光はその中を通過できない。
光が電子と相互作用して散乱されてしまう。
そのため光は直進できないのだ。



宇宙がまだ小さかった頃、光は直進できなかった。
やがて、宇宙が現在の1000分の1程度のサイズになったとき、プラズマ状態から原子に移行した。
このため、電子との相互作用による散乱がなくなったので光が直進できるようになった。



「光が直進できる」とは「遠くが見通せる」ということである。
ビッグバン後、約38万年経過して、宇宙は遠くまで見通せるようになった。
これを宇宙の晴れ上がりという。



物体は温度に応じた放射線を放つ。
温度が高いほど、放射線の波長は短い。
宇宙の晴れ上がり」の直後、宇宙は数千度の高温であった。
このとき、宇宙は短い波長の放射で満ちていた。



その後も宇宙は膨張し、徐々に冷えていく。
冷えるに従い、それに応じて放射線の波長が伸びていく。



現在、宇宙の温度は、約3Kまで低下した。
宇宙空間は、この約3Kの温度に応じた放射で満ちている。
これが宇宙波背景放射である。



後年、マイクロ波以外の電磁波による背景放射も発見された。
このため、この宇宙波背景放射は正確には宇宙マイクロ波背景放射という。



単に宇宙波背景放射と言った場合には、
1:宇宙マイクロ波背景放を意味する
2:マイクロ波も含めて様々な電磁波の背景放射を意味する

の2通りがある。





宇宙背景放射の研究の歴史

1965年、アルノ・ぺンジアス氏とロバート・ウィルソン氏は、宇宙のすべての方向から同じ電波が来ていることに気がついた。
このことから、電波源が宇宙全体に一様に分布していることが分かった。



宇宙には多くの天体が分布しているが、この電波は分布している天体のさらに遠方からやってくるのである。
天体の背景にある電波の放射なので宇宙背景放射と呼ばれるようになった。



物体はすべて温度に応じた電磁波を放っている。
これが放射だ。
物体の温度が高いほど、放射の波長は短くなる。



たとえば、絶対温度で100度程度の物体は電波を放つ。
これが100度を超えると赤外線になる。
人間の体温は絶対温度で100度を超えるので、人間は赤外線を発していることになる。
防犯用の赤外線センサーは、人間の放つ赤外線を検知する装置なのだ。



1000度から1万度の範囲では、可視光が放たれる。
太陽の表面温度は6000度なので、太陽は目に見える光を放っているのである。
褐色矮星などは、温度が低いので赤外線を発している。
このため、褐色矮星可視光線で観測することができないのだ。



宇宙の全方向から電波が来るということは、宇宙の全方向が温度を持っていることを意味している。
宇宙背景放射の波長を調べれば、宇宙の温度がわかる。
その温度は絶対温度で2.7Kに相当する。
このため3K放射とも呼ばれている。



実は、宇宙背景放射は1948年にガモフによって予言されていた。
しかし、当時の技術では、その存在を確認する手段がなかったのだ。

アルノ・ぺンジアスとロバート・ウィルソンは、宇宙の全方向から来る電波がガモフによって予言されていた宇宙背景放射だと気づいたのである。




宇宙背景放射の温度ゆらぎ

温度ゆらぎ

宇宙背景放射は、宇宙から均一の放射線が来ると思われたが、詳しく測定するとムラがある。
ムラは、わずか10万分の1だ。
これを温度ゆらぎという。




宇宙背景放射
宇宙背景放射の温度ゆらぎ
写真の濃淡の差が温度の差を示している。その差は10万分の1しかない。
出典:WMAP




温度ゆらぎは、宇宙論にとって重要な意味を持っている。
宇宙の初期に物質の分布にムラがあったことの証拠だからである。



物質は宇宙全体に均一に分布しているのではない。
銀河があり、銀河団があり、超銀河団がある。
このような構造ができるためには、宇宙の初期に、物質の分布にムラがあったはずだ。



物質が多めに分布している場所では、引力が強いので周囲から物質を集める。
すると、さらに引力が増えるので、さらに物質を集める。



このような物質の分布の濃淡が、キッカケとなって銀河銀河団、超銀河団が生まれていったのである。



宇宙の晴れ上がりの前、光は直進できず散乱を繰り返した。 このとき、物質の分布にムラがあるので、物質が多く分布している場所と、密度の低い場所では、散乱の程度が違ってくる。
この違いが、宇宙の晴れ上がり後に宇宙背景放射の温度ゆらぎとなって観測されるのである。




WMAPコールドスポット

宇宙背景放射の温度ゆらぎを、高精度で測定したのが観測衛星WMAPだ。
温度ゆらぎの中で、特に際立って温度ゆらぎの大きい領域が発見された。
この領域をWMAPコールドスポットという。




宇宙背景放射の観測衛星

COBE

COBEは、コービーと読む。
1989年に打ち上げられ、地球周回軌道に投入された。
宇宙背景放射の温度ゆらぎを発見した。
[..さらに詳しく見る..]




WMAP

WMAPは、ダブリューマップと読む。
2001年に打ち上げられ、L2ポイントに投入された。
宇宙背景放射の温度ゆらぎを高い精度で測定した。
[..さらに詳しく見る..]




プランク

プランクは、ESAが運用する宇宙背景放射観測衛星である。
2009年5月14日に打ち上げられた。
WMAPを上回る性能で、温度ゆらぎ等を観測する。

プランクという名称は、ノーベル賞を受賞した物理学者マックス・プランクに由来する。
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参考文献・サイト

国立天文台:宇宙マイクロ波背景放射(CMB)の温度揺らぎ
COBE
Wilkinson Microwave Anisotropy Probe
Planck
Planck

2008/06/14
2009/01/28

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