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ビッグバン宇宙論を語る。

ビッグバン宇宙論とは

宇宙膨張の発見

銀河はただ漫然と散らばっているのではない。
銀河は、互いに遠ざかっていく。
この様子を地球から観測すると、すべての銀河が我々から遠ざかっているように観測される。



遠くの銀河ほど、遠ざかるスピードはより速い。
これをハッブルの法則という。




ビッグバン宇宙論と定常宇宙論

ハッブルの法則が発見されたとき、この解釈を巡って二つの理論が対立した。



宇宙には、次々に新しい物質が生まれ、散らばっていく。
この考えを定常宇宙論という。
定常宇宙論では、宇宙には始まりはないと考えた。



これに対する考えが、ビッグバン宇宙論である。
互いに遠ざかっていく銀河を、逆にたどると、一点に収束する。
ビッグバン宇宙論では、宇宙はこの一点から急激に始まったと考えている。



長い論争と観測事実の積み重ねによって、今日ではビッグバン宇宙論が正しいとされている。



約137億年前、宇宙はわずか一点であった。
宇宙はこの一点の急激な膨張から始まったのだ。
急激な膨張の直後に物質が生成され、大爆発を起こしたように宇宙が広がっていった。
この大爆発をビッグバンという。



ビッグバン直後の宇宙(初期の宇宙)は非常に高温・高密度の状態で、放射に満ちた状態であった。
ビッグバンによって宇宙は膨張を続け、温度・密度が低下し、やがて物質が生まれていった。



ビッグバンの勢いは未だ衰えず、137億年を経過した今もなお、宇宙は膨張し続けている。




ビッグバンの証拠

ビッグバンの証拠はいくつかある。
ここでは、そのうちの宇宙背景放射と元素の存在比について解説する。



宇宙背景放射

宇宙全体を均一に満たしている放射(電波)を宇宙背景放射という。



1965年、アルノ・ぺンジアス氏とロバート・ウィルソン氏は、宇宙のすべての方向から同じ電波が来ていることに気がついた。
電波源が宇宙全体に存在しているのだ。



宇宙の初期は非常な高温であった。
物体は温度に応じた波長の電磁波を放射する。
宇宙背景放射の波長は3Kに相当する。



ビッグバンが本当にあったのなら、宇宙が高温だった頃に放たれた電磁波が赤方偏移によって波長が伸び、現在の宇宙背景放射は3kになることが、理論的な計算によって導かれる。
宇宙背景放射の発見がビッグバンの有力な証拠になったのだ。



当初、宇宙背景放射はまったく均一と考えられていた。
ところが、探査衛星[COBE:コービー]の精密な観測によって、宇宙背景放射に10万分の1程度の「ゆらぎ」があることが分かった。



銀河、銀河団といった宇宙の構造が成り立つためには、宇宙の初期に「ゆらぎ」がなくてはならないのだ。
COBEが「ゆらぎ」を発見したことによって、ビッグバンの理論が補強されたのである。




元素の存在比

ヘリウム4、ヘリウム3、重水素、リチウム7、水素の存在比率は、ビッグバン宇宙の理論モデルによって計算で導き出すことができる。
実際に観測してみると、これらの存在比率は計算値と一致していることが分かった。 このことから、ビッグバンの理論が正しいことがうかがえる。



宇宙の進化のプロセスは、ビッグバンからの経過時間によって論じられる。(下表)



宇宙誕生からの経過出来事
10-44秒後
プランク時間
温度が10+32度に下がる。時間と空間が誕生。超統一力が大統一力と重力に分離する。
10-36秒後 大統一力が電弱力と色の力に分かれる。(大統一理論の相転移) インフレーション開始。
10-34秒後 インフレーション終了。
10-10秒後 電弱力が電磁気力と弱い相互作用に分かれる。 (ワインバーグ・サラム理論の相転移)
10-6秒後 色の力が強い相互作用へ転化する。 クォークが3つずつ結合し、 陽子、中性子、中間子になる(クォーク・ハドロン相転移)
1秒後 重水素の原子核の合成が始まる。
3分46秒後 ヘリウム、リチウムが合成され安定化する
38万年後 温度数千度になると、原子核が電子を捕らえて原子が形成する。 光子を阻害するものが無くなるため、宇宙が透明になる。(宇宙の晴れ上がり)
約1〜8億年後最初の銀河が誕生する
約70億年後ダークエネルギーにより宇宙の膨張の仕方が減速膨張から加速膨張



ビッグバン宇宙論の弱点

幾多の論争と観測事実の積み重ねを経て、今日、ビッグバン宇宙論は正しいとされている。
いかし、ビッグバン宇宙論のすべてがクリアになったのではない。
依然として、未解決問題も残っている。






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2008/03/05

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