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クエーサーを語る。

トップページ宇宙論の目次クエーサー

クエーサーとは

恒星のように見えるが、実際には100億光年以上遠方にある天体をクエーサーという。



クエーサーは光学式望遠鏡では恒星のような点光源でしかない。

しかし、大きな赤方偏移を持つことからクエーサーは100億光年以上の遠方にある天体であることが分かる。


クエーサー
矢印がクエーサー、見た目は恒星に似ている。
出展:ScienceNewsDen




恒星のように見えるだけで、恒星であるはずはない。


100億光年以上を隔てて恒星に光が届くはずがないからだ。


見かけが恒星に似ているということから、クエーサーを準星、または準恒星状天体と呼ぶ場合もある。




クエーサーの性質

クエーサーは100億光年の遠方にある天体である。
今、見えているクエーサーは、100億年前にクエーサーを出た光だ。
つまり、観測されているクエーサーは、クエーサーの100億年前の姿なのだ。



宇宙は137億年前に誕生した。
100億年前のクエーサーは、宇宙の初期に出現したことになる。
数十億光年以内にクエーサーが観測されないことから、クエーサーは宇宙の初期に限って存在したと判断できる。



100億光年以上の距離でありながら、光が届くのは元々クエーサーが明るいからだ。
クエーサーは、銀河系1000個分の明るさを持っている。



クエーサーは、強い可視光を放っているだけでなく、強いX線赤外線も放射している。
現在までの研究では、クエーサーも活動銀河核の一種と考えられている。




クエーサーのイメージ
出展:Herzberg Institute of Astrophysics

クエーサーの中には光度が、数日間程度の短いサイクルで変化するものがある。



これはクエーサーのサイズが、光速で数日間を要する距離よりも小型であることを示している。







クエーサーの放射メカニズム

クエーサーの実体や放射の仕組みは分っていないが、大質量ブラックホールによる放射が有力視されている。



大質量ブラックホールの周囲には、ガスや塵が集まり降着円盤を形成する。
降着円盤内のガスや塵は螺旋(らせん)を描きながらブラックホールへと落ち込んでいく。



このとき、ガスや塵がぶつかり合い、摩擦熱が発生する。
これが放射のエネルギー源になっている。



大質量ブラックホールがガスや塵を消費することによって、クエーサーになっていると考えられている。
周囲のガスや塵をすべて消費してしまったら、もう放射は起こらない。
このことから、宇宙の初期にしかクエーサーが存在しないことになる。



銀河系を含む、一般の銀河は、宇宙の初期にクエーサーの時代を経験し、ガスや塵をすべて消費してしまったので現在の安定した姿になったのかもしれない。






クエーサーの種類

クエーサーのうち、電波を放射するタイプをQSR、電波を放射しないタイプをQSOと呼ぶ。




クエーサー発見の歴史

クエーサーは可視光では観測されず、電波源として発見された。
やがて電波源に重なった点光源が確認され、この光源が大きな赤方偏移を持っていることが確認された。



赤方偏移から、クエーサーが100億光年先にあることが確認されたが、そのような遠方の光が届くほど強力はエネルギー源が説明できなかった。
このため、クエーサーが遠方にあることを否定する主張もあった。



その後、降着円盤の理論が認められるようになり、クエーサーの放射メカニズム解明に近づいた。






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高瀬文志郎「星・銀河・宇宙」地人書館,1994
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2008/11/19





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