ATVを語る。
ATV[Automated Transfer Vehicle]は、国際宇宙ステーション[ISS]への補給を目的したESA[European Space Agency:欧州宇宙機関]の大型の無人宇宙機である。
ATVの積載能力は9トンであり、これはプログレスM1の約3倍に相当する。
南米のフランス領ギアナのクールーにあるギアナ宇宙センターからアリアン5によって打ち上げられる。
宇宙空間に出たATVは軌道補正後、ISSに30kmほどまで接近してから、人間の歩行速度ほどのスピードでISSとの距離を縮めていく。
打ち上げからドッキングまでの間、ATVはすべて自動ナビゲーションによって制御される。
ドッキング直前の数分間にトラブルが発生すると、衝突防止システムが自動的に、またはクルーの操作のよって起動する。
ドッキングが完了すると、ハッチが開けられ、研究器材、ステーションのメンテナンス用消耗品、食糧、クルー個人宛の手紙などが、ATVからISS内へと搬入される。
水はATVの水タンクにISSのパイプが接続されポンプでISSに補充されるが、空気はタンクのバルブが開けられ、直接ISS内に解放される。
ISSの高度は微量ながら空気があり、ISSはこの希薄な空気の中を周回する。
このためISSは空気から常に抵抗を受けるため、軌道高度が少しずつ低下してしまうのだ。
補給後のATVは6か月ほどISSに接続されたままの状態を維持し、10日〜45日の間隔でジェット噴射を行い、ISSの高度を上昇させる役割も果たす。
ATVは使い捨てである。
ISSへの補給後、空になったATVにはISSで生じたゴミが積み込まれる。
任務を終えたATVは、ISSから切り離され、大気圏に突入しゴミごと焼却処分される。
ATVの第一号の名をジュールベルヌという。
2008年の打ち上げを目指し、開発が進められている。
