オリオンを語る。

オリオン
出展:Constellation Program
2010年にスペースシャトルが全機退役する。
人命を損なう事故を2度も発生させた上、メンテナンスに要するコストがバカにならない。
NASAがスペースシャトルを止めたいのも無理はない。
シャトルの後継の宇宙船がオリオンだ。
NASAの委託を受け、ロッキードマーティン社が開発する。
オリオンの機体はカプセル型でアポロ宇宙船に似たイメージを持つ。
しかしサイズは直径は約5メートルと大きく、内部空間はアポロ宇宙船の2.5倍と広い。
アポロ宇宙船は最大3名であるが、オリオンは、国際宇宙ステーション[ISS]へは6名を、月探査では4名のクルー(乗員)を想定している。
さらに将来の火星探査も視野に入れた設計なのだ。
約30年の運用を経て、スペースシャトルには根本的な問題があることが分かった。
耐熱タイルは、大気圏再突入時に生じる熱から機体とクルーを守る重要なパーツである。
耐熱タイルが欠損すれば重大な事故に直結する。
スペースシャトルは、このように重要な耐熱タイルをむき出しの状態で打ち上げるため、リスクはその構造に根ざしていると言える。
さらに問題なのは、滑空という帰還方法だ。
滑空するためには、主翼が必要となる。
スペースシャトルの打ち上げ時の重量には、帰還時にしか使用しない主翼も含まれている。
これでは、打ち上げの燃料が無駄になる。
さらに、主翼があることによって、大気圏再突入時に高熱にさらされる部分が増えることになる。
このため、オリオンは、翼を持たないカプセル型の機体になったのだ。
耐熱シールドは、打ち上げ時にロケット内に保護されている。
ISSへの人員・物資の輸送時、オリオンは単体でアレスTによって低軌道に打ち上げられる。
月探査の場合、オリオン単体では無理だ。
月着陸船や地球離脱ステージとのコンビネーションが必要になる。
月着陸船や地球離脱ステージは、アレスVによって打ち上げられる。
オリオンの開発は遅れており、実用化は2014になる見込みである。
シャトル退役(2010年)からオリオン導入(2014年)までの間、米国は国際宇宙ステーションへの往復手段を持たないことになってしまう。
この埋め合わせのために、NASAは国際宇宙ステーションへの往復するロケットの開発・運用を民間委託することに決定した。
このプログラムをCOTSという。