COTSを語る。
COTSは「コッツ」と読む。
NASAが進めている商業軌道運搬サービスのプログラム名だ。
NASAの新宇宙政策によると、スペースシャトル全機が2010に退役する。
スペースシャトル後継として開発中の宇宙船「オリオン」は、開発が遅れているため導入が2014にずれ込む見込みだ。
とすると、2010年から2014の間、米国は国際宇宙ステーションへの足(輸送手段)がないことになる。
この事態に対処するために、導入された打開策がCOTS[Commercial Orbital Transportation Services]である。
低軌道への資材・人員を輸送するロケットの開発と運用を民間企業に委託し、NASAは民間から輸送サービスを購入しようという発想である。
国際宇宙ステーションへの往復は、(日本のビジネス風に表現すれば)協力会社へ丸投げするのである。
NASAが主導するオリオンの開発が4年も遅れるのに、なぜ民間が2010までにロケットを開発できるのかといった疑問もでる。
それは、COTSで求められる宇宙船のスペックは、オリオンよりも緩いことにある。
オリオンは月・火星への往復にも対応可能なように開発されている。
火星有人探査の場合、3年以上の間地球から離れてのミッションになるので、技術的ハードルは高いものになる。
火星への往復に成功した宇宙船はまだないから、オリオンは人類史上初の技術的課題に挑戦しているのである。
一方で、低軌道へ往復する技術は、オリオンに比較して楽勝だ。
スペースシャトルの他にもソユーズ等、多くの宇宙船によってすでに実現されている。(もちろん事故もあったが)
決して人類史上初ではないのだ。
NASAはこのような低軌道への往復は、民間の技術でも十分可能と判断し、オリオンの遅れを埋め合わせするためにCOTSを開始したのでる。
COTSのコンペに参加した企業は20社以上にのぼるが、最終選考をパスしたのはスペースX社、キスラー・ロケットプレーン社の2社である。