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ひてんを語る。

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ひてんは1990年1月24日に日本が打ち上げた工学実験衛星である。

将来の太陽系内探査に必要なスイングバイ技術や高効率なデータ伝送技術を確立することがひてんの目的である。
同時に日本初の月探査機でもある。



1972年にアポロ計画が打ち切られた以降、各国とも月探査が低調になった。
特に1976年のルナ24号(旧ソビエト)からひてんまでの14年間は、月探査機は1機も飛んでいない。

「ひてん」以後、クレメンタイン(米)、ルナ・プロスペクター(米)、スマート1(欧)、かぐや(日)、じょうが1号(中)、LRO(米)、エルクロス(米)といった月探査ミッションが登場する。


ひてん
ひてん
出展:JAXA:HITEN

打ち上げ後の第2段ロケット点火時に炎で電波が遮断され、国内のパラボラアンテナが「ひてん」を見失うというアクシデントに見舞われた。

幸いNASAのアンテナが「ひてん」を捕捉していたため、まもなく「ひてん」の追跡を回復することに成功した。



「ひてん」本体上面には小型衛星「はごろも」が搭載されていた。
「はごろも」は1990年3月19日に「はごろも」から分離され、月周回軌道へ投入した。

このとき「はごろも」の送信機が故障したため「はごろも」の軌道投入を電波で確認することができなかったが、地上からの望遠鏡観測でキックモーターの点火と燃焼が確認された。



「ひてん」は月によるスイングバイを合計10回実施し、高度120kmで地球大気を利用して機体を減速させるエアロブレーキの実験も実施した。



この間にも、ミュンヘン工科大学との共同研究として、地球・月空間の宇宙塵を搭載したダストカウンターで計測した。



数々の軌道制御実験を経て、「ひてん」自体も1992年2月に月周回軌道に投入された。
搭載燃料を使い切る前に「ひてん」の軌道を修正し、1993年4月11日に意図的に月のクレーター「フレネリウス」に落下させ、ミッションが終了した。



「ひてん」により、日本は月に探査機を送った3番目の国となった。
「ひてん」以前に月に探査機を送った国はアメリカと旧ソビエトしかないからである。



「ひてん」は月の科学的解明を目的とはしていないので、厳密には月探査機とは言えない。
打ち上げた宇宙科学研究所(現 宇宙航空研究開発機構(JAXA))は「ひてん」を工学実験衛星と呼んでいる。



2007年8月に打ち上げる「かぐや」は月の科学的探査を主目的にしているため、「かぐや」が日本初の月探査機であると言える。




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