はちぶんぎ座を語る。
はちぶんぎ座は、南天の星座である。
日本からは見ることができない。
「はちぶんぎ」とは、測量用の器具「八分儀」のことである。
八分儀は、1730年に英国のジョン・ハドリーによって機器が発明された。
はちぶんぎ座はラカイユが設定した。
1751年から52年にかけてラカイユは、喜望峰に滞在し南天の恒星や星雲・星団を観測した。
このときラカイユは14の星座を新設したのだ。
はちぶんぎ座はそのときの一つである。
ラカイユは、当初、星図の中ではちぶんぎ座を「反射を利用した八分儀座」として設定した。(1756年)
ところが、この星図の二版が制作されたとき「はちぶんぎ座」に変更されたという経緯がある。(1763年)
はちぶんぎ座は、4等級より暗い星ばかりなので、目立たない星座である。
星が少ないため、ラカイユは隣接するみずへび座の星を、はちぶんぎ座に移籍させ、β(ベータ)星、ν(ニュー)星とした。
はちぶんぎ座の主な恒星
はちぶんぎ座ν [ν Oct]
はちぶんぎ座で最も明るい恒星である。
太陽系から69光年の距離にあるK型星である。
はちぶんぎ座β [β Oct]
はちぶんぎ座で2番目に明るい恒星である。
太陽系から140光年の距離にあるA型星である。
はちぶんぎ座δ [δ Oct]
はちぶんぎ座で3番目に明るい恒星である。
太陽系から279光年の距離にあるK型星である。
天の南極
天の南極は、はちぶんぎ座にある。
ところが、はちぶんぎ座には目立つ星がないので南極星に相当する恒星がない。
σ(シグマ)星は、肉眼で見える恒星として最も天の南極に近い。
しかし、天の南極から1度の開きがあり、5.4等級のため、目印にはなりにくい。
南半球で赤道儀をセッティングするためには、南半球用の極軸望遠鏡を使用する。
南半球では、σ(シグマ)星を指標に極軸を調整するのである。
しかし、σ(シグマ)星は暗いので、σ(シグマ)星自体を見つけるのが大変だと聞いている。
(管理人は南半球で赤道儀を使用したことがないため詳細は不明)
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参考文献・サイト
2008/05/25