ホーキング織野の

サラリーマン、宇宙る。

マリナー10号を語る。

トップページ宇宙開発の目次>初期の惑星探査>マリナー計画マリナー10号

マリナー10号とは

マリナー計画最後の探査機

マリナー10号金星水星を順次訪れたNASAの探査機である。

マリナー10号
マリナー10号
出展:JPL:Mariner 10



メッセンジャーが水星に到達するまでは、水星を訪れた探査機はマリナー10号しかなかった。


マリナー計画では、1号から10号まで合計10機の探査機が打ち上げられた。 (探査に成功したのは、そのうちの7機)

マリナー10号は、マリナー計画のラストの探査機である。



複数の惑星を1機で探査した例は、マリナー10号が最初である。
また、マリナー10号は初めてスイングバイを利用した探査機でもある。



打ち上げ

マリナー10号は打ち上げ直後からトラブル続きだった。
観測機器の一部を覆っていた保護カバーが開かなかったのだ。
テレビカメラを保温するヒーターも機能しなかった。



打ち上げ10日目には、塗装の一部がハゲ落ち、スタートラッカーのカメラに付着した。
スタートラッカーとは、特定の恒星を捕捉して機体の姿勢・方向を認識する装置である。
マリナー10号のスタートラッカーは、カノープスをターゲットとしていた。



ところが、塗装の破片が付着したことから、これをカノープスと誤認識し正常な制御が不可能となった。
このときは、リカバリープログラムでカノープスを再捕捉したが、塗装の破片の懸念は最後まで付いて回った。



タイムライン

日付イベント
1973/11/3打ち上げ
1974/2/5金星でのスイングバイ
1974/3/29水星接近
1974/9/21水星接近
1975/3/16水星接近
1975/3/24ミッション終了



探査

金星探査

水星にアプローチする速度を得るため、金星に5768キロメートルまで接近した。
この間、4165枚の写真を撮影した。




水星探査

マリナー10号は、水星を周回するのではない。
太陽を逆方向に公転しながら、水星に接近し探査する。
マリナー10号は、合計3回、水星に接近した。



三回目に最も水星表面に接近し327kmから、水星の表面を300ショット撮影した。
また、このとき水星が微弱ながらも磁場を持つことが発見された。



その約1週間後、姿勢制御用のガス燃料を使い果たし、ミッションが打ち切られた。



マリナー10号は今も、太陽を周回していると考えられている。



マリナー10号の動画

水星に接近する軌道のアニメーション

出典:YouTube The Mariner 10 Mission



マリナー10号が撮影した映像

出典:YouTube 1973: Mariner 10 (NASA)

このページのTOPへ




スポンサーリンク

参考文献・サイト

NSSDC:Mariner 10
Solar System Exploration:Mariner 10
JPL's Mariner 10 Page

2010/10/24
2015/05/24



スポンサーリンク

Amazon.co.jpアソシエイト



スポンサーリンク

Amazon.co.jpアソシエイト