マリナー計画を語る。

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マリナー計画とは

NASAが実施した初期の惑星探査計画をマリナー計画という。
水星、金星、火星への探査と、それに伴うフライバイや周回の技術を検証した。

マリナー計画ではマリナー1号からマリナー10号までが打ち上げられ、そのうちの7機が成功した。
マリナー11号、12号はボイジャー計画に変更された。
また、マリナー・マーク2計画も検討されたが、予算の都合で破棄された。

マリナー計画ではマリナー1号からマリナー10号までで5億5400万ドルが投入された。

ミッション

マリナー1号

マリナー1号は金星フライバイを目的としたマリナー計画の第一号探査機である。
打ち上げの293秒後に、故障し破壊された。

マリナー2号

マリナー2号はマリナー1号のバックアップ機である。
マリナー1号が打ち上げ直後に失敗したことを受け、マリナー2号が打ち上げられた。

マリナー2号は、1962年12月14日に金星に接近し、3万4,833キロメートル上空のフライバイに成功した。

他の惑星の探査に成功した世界初の探査機である。

この探査により、金星の表面温度が400度以上であること、金星に磁場や放射線帯がないことが発見された。

マリナー2号の信号は翌年(1963年)、1月3日を最後に途絶した。

マリナー3号

マリナー3号は火星フライバイを目的としたマリナー計画の第3号探査機である。
航行中のトラブルで失敗した。

マリナー4号

マリナー4号はマリナー3号のバックアップ機である。
マリナー3号が失敗したことを受け、3週間後にマリナー4号が打ち上げられた。

マリナー3号と4号は同一の設計である。

マリナー4号のフライバイによる火星探査は、1965年7月14日に成功した。

マリナー4号の撮影により、「火星の表面は月に似てクレーターに覆われた惑星」とみなされたが、これはマリナー4号は火星全体の1%の領域した撮影しておらず、たまたまクレーターが多く集まる地域を撮影したからであった。


マリナー4号の探査によって、火星の気圧が4〜7ミリバールであること、磁場がないことが確認された。

マリナー5号

マリナー5号は、元々マリナー4号のバックアップ機として準備されていが、マリナー4号が成功したため、金星探査機に改造された。

マリナー5号は、米国で二番目に成功した金星探査機である。

太陽とカノープスの位置を確認する姿勢制御装置を備えている。

1967年10月19日、金星に4000キロメートルまで接近し、金星大気の電波の状態や紫外線の放射を調査した。

金星周辺の磁場、荷電粒子、プラズマも観測した。

マリナー6号

マリナー6号は火星探査機である。マリナー7号とほぼ同時に火星探査を行った。

火星の大気を観測し成分を調査した。


火星に最大3431キロメートルまで接近したが、冷却装置が故障したため赤外線分光器の一部が機能しなかった。

火星を去った後も、天の川を紫外線で撮影する等の観測を行った。

マリナー7号

マリナー7号はマリナー6号と同一設計の火星探査機である。
マリナー6号の1か月後に打ち上げられ、6号の火星到達(7月31日)の4日後(8月4日)に、3430キロメートルまで火星に接近した。

マリナー6号、7号の探査によって、南極の極冠は二酸化炭素が主成分であることが判明した。

マリナー8号

マリナー8号は火星周回軌道投入を目指した探査機である。
打ち上げ時にトラブルを起し失敗した。

マリナー9号

マリナー9号は史上初めて、火星周回軌道投入を果たした探査機である。

火星を回る人工衛星となって、火星を観測した。

マリナー9号は7329枚の写真を撮影し、その範囲は火星全土の80％に達した。

オリンポス山とマリネリス峡谷は、このときに発見された。
マリネリスとは、マリナーを記念して命名されたものである。

マリナー10号

マリナー10号は金星、水星を順次訪れたNASAの探査機である。

金星を通過する際、スイングバイ航法を行い水星に向かった。
マリナー10号はスイングバイ航法を成功させた、最初の探査機である。

メッセンジャー/MESSENGERが水星に到達するまでは、水星を訪れた探査機はマリナー10号しかない。
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