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ウォルフ・ライエ星を語る。

トップページ銀河系の目次恒星の進化ウォルフ・ライエ星

ウォルフ・ライエ星とは

老齢の星は赤いというイメージが定着している。
このイメージを覆す天体がウォルフ・ライエ星だ。



ウォルフ・ライエ星は老齢なのに青いのだ。
恒星の中心部で大部分の水素がヘリウムに変換されると、恒星は膨張を始める。
表面積が増えるので、全体の温度が下がって赤くなる。
これが、主系列星から赤色巨星へ進むプロセスだ。



ところが、元々大質量の星の場合、恒星風が強い。
このため、膨張で重力の影響を受けにくくなった表層のガスを自分の恒星風で吹き飛ばしてしまうのだ。
表層がなくなると、高温の内部がムキ出しになる。



温度が高ければ、青い光を放つので青色巨星となる。
これがウォルフ・ライエ星だ。




ウォルフ・ライエ星の特色

ウォルフ・ライエ星は、晩年を迎えた大質量星である。
そのため、いずれ超新星爆発を起す運命にある。



ウォルフ・ライエ星のスペクトルには、水素の線が無い。
これは、水素に富んだ外層が恒星風によって吹き飛ばされたためである。



代わってヘリウム・炭素・窒素の輝線が見られる。
これは、これら元素が溜まった中心部がムキ出しになっているからである。
このようなスペクトル型W型という。



ウォルフ・ライエ星は非常に高温である。
恒星の表面は、2万5000度〜5万度程度に達すると見られている。



現在、200以上のウォルフ・ライエ星が銀河系内で発見されている。
ハッブル宇宙望遠鏡の観測によると、これらウォルフ・ライエ星のうち6割以上が伴星を持っていることが確認されている。



ウォルフ・ライエ星を包む星雲がある場合、ウォルフ・ライエ星雲、またはウォルフ・ライエ・ネブラという。




ウォルフ・ライエ星の発見の歴史

1867年、パリ天文台のシャルル・ウォルフとジョルジュ・ライエは、はくちょう座に奇妙な3つの星を発見した。
スペクトルを観測すると水素の吸収線がないのである。
これら3つの星は、発見者の名前からウォルフ・ライエ星と命名された。



ウォルフは、太陽黒点で有名なウォルフとはまったくの別人物である。




ウォルフ・ライエ星の関連ネタ

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参考文献・サイト

Imagine the Universe
Wolf-Rayet Stars
BIG OLD STARS DON'T DIE ALONE

2007/05/19



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