カリストを語る。
ガリレオ衛星の中で、最も外側を回る衛星がカリストである。
カリストのサイズは水星に匹敵し、衛星としては、ガニメデ、タイタンに次いで3番目に大きい天体である。
カリストの密度は1.86g/cm3であり、ガリレオ衛星の中で最小の値である。
これは、カリストが大量の水分を含んでいることを反映している。
カリストの表面はクレーターで埋め尽くされている。
目だった山や谷はない。クレーターだらけなのだ。
クレーターは他の天体の衝突によって形成され、山や谷は地質活動によって作られる。
地質活動が活発な天体では、クレーターが形成されても次第に消失してしまう。
カリストの表面の無数のクレーターは、カリストの地質活動が極めて低調であることを示しているのだ。
その表面はおよそ、40億年の古さと見積もられている。
直径が1000km以上の天体では、カリストは地質活動がまったくない唯一の天体なのである。

カリストのクレーター、チンドル
出展:NASA JPL Photojournal
カリストの赤道付近にあるクレーター・チンドル[Tindr]は70kmの直径を持つ。
(左の写真)
南東の方角(写真の右下)のクレーターの壁が低くなっている。
このことから、チンドルを形成した隕石は斜めからカリストの表面に衝突したことが伺える。
クレーターの内部にポツポツとして穴が見える。
カリスト内部の揮発成分がガス化して抜け出た穴のようだ。
チンドルが生成した年代の見積もりには、10億年前〜39億年前と幅がある。

カリストの内部構造
出展:NASA JPL Photojournal
カリストの表面は氷に覆われているが、その下には塩分を含んだ液体の海が存在することが確実視されている。
ガリレオ探査機による調査で、カリストに誘導磁場が存在することが確認された。
これは、カリストの氷層下に導電性の流体が存在することを示唆しているからだ。
カリストの氷層は200kmの厚みがあり、その直下に深さ10km程度の海があると考えられている。
中心核は岩石と氷で出来ているようだ。
カリストの表層下に凍っていない海があるということは、何らかの熱源がカリスト内部に存在することを意味している。 これは、地質学的に不活発であることと矛盾している。
カリストは木星の磁場の中を公転する。
磁場を横切るときに、カリストの海に電流が生じる。
この電流がカリストに誘導磁場を発生させるのだ。
カリストの他、エウロパ、ガニメデの氷の下にも海の存在が確信されている。
ガリレオ衛星はすべて希薄な大気を持つことが確認されている。
カリストの大気は二酸化炭素だ。
重力が小さいにもかかわらず、カリストの大気が健在なのは、地殻中のドライアイスから少量ずつ二酸化炭素が供給されているからだという見解もある。
