ホーキング織野の

サラリーマン、宇宙る。

木星を語る。

トップページ太陽系の目次木星

木星とは、どのような惑星か?

太陽系最大の惑星が木星である。
直径は地球の約11倍、体積は約1300倍もある。



木星は重い。
木星以外の惑星をすべて集めても、木星はさらにその2.5倍の質量を持つ。



木星は最大でマイナス2等級なる。
このため、有史以前から存在が知られていた。
古代ローマでは、最高神の名を与えている。



木星
カッシーニが可視光線で撮影した木星
出展:Solar System Exploration:Saturn



木星のデータ
公転周期11.86155年
会合周期398.88日
自転周期0.4135日
(約9時間56分)
質量地球の317.832倍
半径7万1492km
(地球の約11倍)
太陽からの距離5.20260AU

出展:天文年鑑

地球は主に岩石から構成されるが、木星はガスのかたまりである。
そのため密度は1.326g/cm3しかない。

この密度は、岩石質惑星(水星金星地球火星)のどれよりも低い値である。



木星を望遠鏡で観測すると、シマシマ模様が確認できる。







木星の特色

木星の自転

自転速度は9時間56分で、地球の半分以下でしかない。
この自転は、太陽系の惑星の中で最速だ。

自転速度の影響で遠心力は大きくなる。このため木星の赤道が膨らみ、南北方向がつぶれた楕円形をしているのだ。



木星は固体の表面を持っていない。
このため、木星の自転速度は場所(緯度)によって異なっている。
赤道部は高緯度地域よりも自転が速い。

赤道部をシステムIという。
システムIは、9時間50分30秒で自転する。

それより高緯度がシステムIIだ。
システムIIの自転は9時間55分41秒である。

木星は強力な電波源でもある。
電波源の自転周期はシステムIやシステムIIと異なっている。
これがシステムIIIで、その長さは9時間55分29秒だ。



自転軸は公転軌道面から3.13度傾斜している。
傾斜角が小さいため、木星には顕著な季節の変化はない。




大赤斑

木星の表面には大赤斑とよばれる楕円形の渦がある。
1664年に発見されてから現在まで300年間以上も存在し続ける巨大な渦なのだ。
大赤斑は反時計方向に約6日で1回転している。
[..さらに詳しく見る..]




木星の環(リング)

木星にはごく微細ながら環がある。
1979年にボイジャー1号の探査によって発見されたものだ。
環は氷よりも岩石の成分が多い。



木星の環は3つに分かれている。
内側からハローリング、メインリング、ゴッサマーリングという。



メインリングの成分は衛星アドラステアとメティスと一致している。
このことから、アドラステアとメティスに隕石が衝突し、飛び出した破片がメインリングになったものらしい。



同様にゴッサマーリングの主成分は衛星アマルテアとテーベに一致している。




木星の電波源

木星はデカメートル電波を放射する強力な電波源でもある。


木星の衛星

2009年7月現在、木星には63個の衛星が知られている。
これら衛星は規則衛星と不規則衛星に区分される。



ほぼ真円で傾斜も少ない軌道を持つ衛星が規則衛星だ。
木星誕生と同時に生まれた衛星だと考えられている。



小惑星が木星の重力に捕獲され衛星となったものが不規則衛星である。
離心率が大きく傾斜も大きい軌道を持つ。



63個の衛星のうち47個は、直径10キロメートルに満たない。
[..さらに詳しく見る..]




ガリレオ衛星

木星の衛星の中で突出して大きいイオエウロパカリストガニメデガリレオ衛星という。
すべて規則衛星である。
ガリレオ衛星は、すべて木星の潮汐力の影響で常に同じ面を木星に向けている。
[..さらに詳しく見る..]




木星探査

パイオニア10号

パイオニア10号は1973年12月3日に最接近した。
木星は強力な磁場を持つこと、水素・ヘリウムが主成分であること、放射帯があることが明かになった。




パイオニア11号

パイオニア11号は1974年12月に木星に接近し、磁場、大赤斑、気温のデータを取得した。




ボイジャー1号

ボイジャー1号は1979年3月に木星に接近した。
特に木星大気に発生する雷や、イオでの火山活動が発見された。




ボイジャー2号

ボイジャー2号は1979年7月に木星に接近した。




ユリシーズ

ユリシーズは、太陽極軌道を周回する探査機である。
極軌道投入のため、1992年2月に木星でスイングバイした。




ガリレオ

今まで木星を訪れた探査機のうち、木星周回軌道に投入された唯一の探査機である。
1995年12月から2003年9月まで、木星やその衛星を探査した。
小型のプローブを木星大気に突入させ、成分や気候を調査した。




カッシーニ

カッシーニは、土星探査機である。
2000年12月、土星に向かう途中にスイングバイのため木星を通過した。




ニューホライズン

ニューホライズンは、冥王星探査機である。
2007年2月、冥王星に向かう途中にスイングバイのため木星を通過した。
[..さらに詳しく見る..]




ジュノー

ジュノーは、2011年8月5日に打ち上げられた木星探査機である。
2016年に木星の極軌道に投入される。
ニューホライズンに次ぐ、ニューフロンティア計画の第2弾である。


ガリレオ探査機は原子力電池を搭載していたが、ジュノーは太陽電池である。
木星よりも遠くで太陽電池を利用する初のケースとなる。
[..さらに詳しく見る..]

このページのTOPへ




スポンサーリンク

参考文献・サイト

Solar System Exploration:Jupiter
World Book at NASA:Jupiter
APOD:Jupiter and the Red Spots
Planetary Systems Laboratory:Jupiter and the Red Spots
Planetary Systems Laboratory:Jupiter and the Red Spots
Galileo Legacy Site
Galileo
Galileo Legacy Site
Galileo Project Information
USGS
JUNO

2009/07/31
2014/10/30



スポンサーリンク

Amazon.co.jpアソシエイト



スポンサーリンク

Amazon.co.jpアソシエイト