冥王星を語る。
冥王星とは、どんな天体か
太陽系の元第9惑星が冥王星だ。
冥王星は、1930年2月に発見されてから76年間、第9惑星とされていた。
ところが2006年8月にIAUの総会惑星の定義が決議された際、冥王星はこの定義に適合できなかった。

ハッブル宇宙望遠鏡が撮影した冥王星とカロン
出展:Solar System Exploration
この決議によって、冥王星は惑星の称号を剥奪された。
惑星から除外された冥王星には、早速、小惑星番号134340が与えられた。
あっけないものである。
惑星でなくなった冥王星は、この決議で同時に定義された準惑星として分類されることになった。
冥王星の特色
カイパーベルトと冥王星
海王星の外側には、小型の天体がウジャウジャと存在し太陽をベルト状に取り巻いている。
この領域をカイパーベルトという。
カイパーベルトに属する天体をカイパーベルト天体という。
発見当初は惑星と見なされていた冥王星は、実は無数のあるカイパーベルト天体の一つに過ぎなかったのである。
冥王星の発見当時、カイパーベルトは知られていなかったのである。
冥王星は248年で太陽を公転するが、その周期は海王星と2:3で共鳴している。
海王星が3回公転する間に、冥王星はちょうど2回公転するのである。
海王星と2:3の共鳴関係にある天体は冥王星だけではない。
カイパーベルト天体の中には、公転周期が250年前後の天体が多い。
イクシオンやオルクスなどがそれだ。
公転周期が、海王星と2:3で共鳴している天体を冥王星族という。
冥王星の衛星
冥王星は、カロン、ニクス、ヒドラの3つの衛星を持つ。
この中で、最大の衛星がカロンだ。
冥王星のサイズに対してカロンは大きい。
そのため、冥王星とカロンの共通の重心は冥王星の外に出てしまっている。
冥王星とカロンは常に同じ面を向かい合わせている。
つまり冥王星の空をカロンは移動しないのだ。
冥王星の表面でカロンが見えない地域は、永久にカロンが見えない。
カロンが天頂に見える地域では、カロンは永久に天頂にある。
冥王星の軌道傾斜
冥王星の軌道は離心率が大きいため、海王星の軌道と交差する。
そのため、248年に一度、冥王星は海王星よりも内側に入るのだ。
しかし、冥王星の軌道の傾斜角は大きいため、冥王星と海王星が衝突することはない。
1979年から1999年までの間、冥王星は海王星軌道よりも内側に来ていた。
当時はまだ、冥王星は惑星と見なされていたので、このときの海王星は「第9惑星」だったのである。
冥王星のサイズ
冥王星は小さく、その直径は2274kmしかない。
一度は惑星の座にありながら、冥王星よりも大きな衛星は7つもある。
月、イオ、ユーロパ、ガニメデ、カリスト、タイタン、トリトンがそれだ。
ガリレオ衛星はすべて、冥王星よりも大きいことになる。
冥王星の組成は分かっていない。
密度から岩石と氷が7:3で混在していると考えられている。
表面の物質の分布は不均一だ。
カロンに向いた側の氷はメタンが主成分であるが、その反対側は窒素と一酸化炭素の氷が主である。
冥王星の大気
冥王星は極めて薄い大気を持つ。
窒素、一酸化炭素、メタンが、その成分である。
この大気は、冥王星が近日点付近にいるときのみ出現する。
冥王星が近日点から離れると、太陽熱が少なくなるので、大気が固体に戻ってしまうのだ。
冥王星の大気は冥王星の重力を振り切って、少しずつ宇宙空間に逃げていくと考えられている。
冥王星探査
冥王星を訪れた探査機はない。
現在、NASAのNew Horizonsが冥王星に向かっている。
冥王星到達は2015年の予定である。
New Horizonsが打ち上げられたとき、冥王星はまだ惑星であった。
NASAは、冥王星を探査することによって、9つの惑星(当時)すべてを探査したことになると意気込んでいたのである。
ところがNew Horizonsが火星軌道を過ぎたころに、冥王星が惑星でなくなってしまった。
期せずしてNew Horizonsは、初のカイパーベルト探査機になるのである。
冥王星の発見の歴史
冥王星は1930年にトンボーによって発見された。
当時はカイパーベルト天体に関する知識がなかったので惑星と認識されたが、実はカイパーベルト天体発見の第一号なのである。
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参考文献・サイト
Solar System Exploration:Pluto
Solar System Exploration:Charon
The Nine Planets:Pluto
New Horizons
2009/07/30


