月の裏側を語る。

月の裏側
出展:NASA
月はいつも同じ面を地球に向けている。
潮汐作用によって、月の自転と公転の周期が一致してしまったからだ。
だから、地球から月の裏側を見ることはできない。
しかし、地球から輪郭に近い裏側を見ることができる。
月はごくわずかであるが、首を振るように向きを変えているからだ。
これを秤動という。
長期にわたり丹念に観測すると、秤動の作用で月の全表面の59%程度を見ることができる。
地球から絶対に見えない領域は約40%程度なのだ。
この地球から見えない40%のエリアを、初めて撮影したのが、旧ソビエトのルナ3号だった。(1959年)
その後、ソビエトはゾンド3号を投入し、さらに解像度の高い月の裏側の写真を撮影した。(1965年)
ソビエトはこれらの成果を元に、月面地図や月球儀を発表した。
宇宙開発の初期、ソビエトは米国を圧倒したが、人間が月の裏側を直接目視したのはアポロ8号だった。
月の裏側と表側の際立った違いは、海の広さである。
月の表側において、海は30%を占めている。
ところが、月の裏側の海は2%程度しかない。
月の裏側はクレーターが密集している。
何故、月の裏側に海が少ないのかはよく分かっていない。
マグマの分布が表側に偏っているとの見方もある。
表側と裏側で地殻の厚みも異なっている。

月の裏側
出展:NASA Solar System Exploration
月の裏側の南部に太陽系最大のクレーターがある。
直径が2250km、深さが12kmの南極エイトケン盆地[South Pole-Aitken basin]だ。
南極エイトケン盆地には、永久に日光のあたらないエリアがあり、そこに氷が存在することが有力視されている。
この南極エイトケン盆地からのサンプルリターンがNASAで計画されている。