ホーキング織野の

サラリーマン、宇宙る。

磁気嵐を語る。

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磁気嵐とは

地磁気と磁気嵐

磁石の効果が及ぶ範囲を磁場という。
棒磁石が近くの鉄を鉄を引き付けるのは、棒磁石の周囲に磁場があるからだ。



地球の周囲にも磁場がある。
このことから、地球は巨大な磁石に例えることができる。
方位磁石が南北を指すのは、地球の周囲にも磁場の影響を受けるからだ。



地球の持つ磁気を地磁気といい、地球の周囲の磁場の範囲を磁気圏という。



棒磁石の磁気が一定であるように、本来、地球の磁気も一定であるはずだ。
ところが、地磁気は太陽の活動の影響を受け、変動することがある。
これが磁気嵐だ。



磁気嵐とは、地磁気の強さが増減する現象なのだ。




磁気嵐の単位

地磁気の大きさは、ナノテスラ[nT]で示す。
日本付近の地磁気は、約3万ナノテスラの大きさだ。
この値は、一日を通じて0.15%程度の変動を示す。
地磁気は非常に安定しているのだ。



ところが太陽が活発になると、これが1%程度変動する。
1%程度の変動であってもその影響は大きい。
人工衛星や無線通信にもダメージを与えるのである。



テスラ[nT]は元々、磁気の大きさ(正確には磁束密度)を示す単位である。
磁石そのものの磁気量ではなく、磁石の周囲の空間に生じる磁場の大きさだ。
例えるなら、電球の明るさではなく、照らされた部屋の明るさに相当する。



テスラ[T]の10億分の1を示す単位がナノテスラ[nT]だ。
「ミリ」は1000分の1、「マイクロ」はその1000分の1(つまり百万分の1)を示す。
「ナノ」は、「マイクロ」の1000分の1(つまり10億分の1)を示している。





磁気嵐の原因と影響

太陽の表面では、時としてフレアと呼ばれる爆発現象が発生する。
フレアが起こると、電磁波の他、大量のプラズマが放出される。
これがCME(コロナ質量放出)である。


磁気嵐の原因となるCME
出展:NASA:Solar Physics



CMEは太陽表面の様々な場所で発生する。
たまたま、地球の方を向いた部分でCMEが起こると数日後にCMEが地球に到達する。
このCMEが磁場を乱すでの、磁気嵐が発生するのである。
CMEに限らず、太陽風の増加でも磁気嵐は発生する。



オーロラは太陽からのプラズマが地磁気と影響して発生する現象である。
当然、CMEが来ると、オーロラも活発になる。



磁気が変化すると、その磁場中にある金属に電流が流れる。
これが誘導電流である。



磁気嵐が大規模になると、送電線に誘導電流が流れるため、送電システムに悪影響が出る場合がある。
これをGICという。
現に1989年、カナダの送電システムが磁気嵐の影響でダウンし、大規模な停電が発生した。



磁気嵐は、人工衛星に搭載された電子機器を損傷させたり、無線通信に障害を発生させたりといった悪影響を及ぼす。
また船外活動を行う宇宙飛行士にも危険が大きい。



このようなことから、フレアを観測し、CEMの地球到達や磁気嵐の発生の予報が重要になってきた。
このような活動を宇宙天気予報という。
宇宙天気予報スぺースウェザーともいう。



太陽は、年がら年中、フレアやCMEを放っているのではない。
フレアやCMEが活発な時期と、そうでない時期が11年の周期で交互に訪れる。



これを太陽活動サイクルという。
従って、磁気嵐の活動も11年のサイクルで繰り返させる。

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参考文献・サイト

NOAA / Space Weather Prediction Center
地磁気観測所:磁気嵐の基礎知識

2008/08/19
2009/02/23



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