HII領域を語る。
化学の分野では、電気的に中性の原子をH、電離した水素原子(イオン)をH+と表記する。
一方、天文学の分野では、電気的に中性の原子をHI(エイチワン)、電離した水素原子(イオン)をHII(エイチツー)と表記する。
HII(エイチツー)とは水素イオンのことなのだ。
宇宙の中で、水素イオンが高濃度に分布している空間を、HII(エイチツー)領域という。
HII領域のサイズは1光年程度から数百光年まで様々だ。
恒星は暗黒星雲の中で誕生する。
新たに生まれた恒星が放つ紫外線によって、周囲の暗黒星雲内の水素原子が刺激され電離する。
電離された水素原子は光輝く。
これがHII領域だ。
恒星の周囲のガスや塵は、放射の圧力によって押しのけられていく。
押しのけられたガスは、密度が高くなって重力により収縮し、恒星となっていく。
このようにHII領域の中では、恒星がドミノ式に誕生していくのだ。
だからと言って、HII領域は永久に恒星を産み続けることはできない。
誕生した星の輻射圧によって、HII領域を構成するガスが四散してしまうからだ。
このような例がM45(プレアデス星団)だ。
M45はうっすらとガスに覆われている。
もともとは濃いガスであったが、星団を構成する星からの輻射圧によって周囲のガスが吹き飛ばされつつあるのだ。
銀河には様々なタイプがある。
渦巻銀河、楕円銀河、不規則銀河などがそれだ。
不思議なのは、楕円銀河の内部にはHII領域が存在しないということだ。
一方で、渦巻銀河、不規則銀河はHII領域を含んでいる。
特に渦巻銀河では、HII領域は渦巻きの腕の部分に沿ってHII領域が分布しているのである。
HII領域の代表がM42(オリオン大星雲)である。
ハッブル宇宙望遠鏡の観測によると、円盤状の塵に取り囲まれた星が、M42の内部に多数存在することが確認されている。これらは惑星系が形成されつつある段階の恒星であると見なされている。

M42
出展:NASA:Hubble Site
参考文献・サイト
Wikipedia:HII region
Wikipedia:HII領域
2007/05/19