暗黒星雲を語る。
宇宙空間は真空ではない。
所々に希薄ながらも、星間塵(せいかんじん)や星間ガスが漂っている部分がある。
これらの領域を暗黒星雲と呼ぶ。
暗黒星雲の背後に、星や銀河などの光源があると、暗黒星雲がシルエットとして浮かびあがる。
しかし、暗黒星雲そのものは背後の光を吸収してしまう。
したがって、暗黒星雲の裏側を見ることはできない。

M16内部の暗黒星雲
出展:NASA:Hubble Site
恒星はこの暗黒星雲の中で誕生する。
暗黒星雲は恒星の進化の出発点でもあるのだ。
暗黒星雲の濃い部分は、密度が高いため自分の重力で収縮していく。
収縮すると暗黒星雲の密度がさらに高くなるので、収縮も加速する。
収縮が過度になると、原始星を経て、やがて中心で核融合反応が起こる。
これが恒星の誕生だ。
誕生直後の原始星を見ることはできない。
暗黒星雲に取り囲まれているからだ。
恒星は誕生すると核融合反応で光や紫外線を放つ。
この紫外線によって周囲の暗黒星雲を構成する水素分子が電離される。
電離された水素分子は光を放つため、見えないはずの暗黒星雲が今度は光輝くようになる。
これが散光星雲だ。
散光星雲は別名HII領域ともいう。
散光星雲の温度は高いため、ガスは活発に動きまわる。
このため、散光星雲はどんどん広がろうとする。
この動きが周囲の暗黒星雲を圧迫し、密度を高めるため新たな恒星の誕生がさらに促されることになる。
したがって、恒星が単独で誕生することは、まずない。
恒星は集団で誕生するのだ。
散開星団やアソシエーションといったグループが、若い恒星から構成されるのは、このような理由によるのである。
参考文献・サイト
Wikipedia:Dark nebula
Wikipedia:暗黒星雲
2007/05/19