熱圏を語る。
熱圏は大気圏の領域のひとつで、中間圏のすぐ上に位置する。 大気圏の一部ではあるが、ほとんど宇宙空間と言っていいほど空気は薄い。 スペースシャトルや国際宇宙ステーションが飛ぶ高度は熱圏内である。
熱圏を飛ぶ人工衛星にとっては、この領域の薄い空気が抵抗になる。 国際宇宙ステーションは空気の抵抗を受けて、少しずつ高度が下がる。 そのまま、放っておくと国際宇宙ステーションは落下してしまうのだ。
したがって、ときどき国際宇宙ステーションを元の軌道に戻してやる必要がある。 プログレスは、補給のために国際宇宙ステーションを訪れると、ドッキングしたまま国際宇宙ステーションをジェットで元の軌道まで押し上げる役割も担っている。
オーロラが発光するのも熱圏である。
熱圏というくらいだから、温度は高い。2000℃程度まで上昇することもある。 この領域にある気体分子が、太陽からの波長の短い電磁波を吸収するため温度が上昇するのである。 ところが、実際に温度計で測ってみると、温度は2000度を示さない。
空気の分子数が少ないので、温度計はそんな高温を示さないのだ。 空気分子の持つエネルギーを地上での場合に換算すると2000度に相当するのであって、実際の温度計は0度前後をさすことになる。
熱圏内の気体分子は、太陽からの強力な電磁波や磁気圏で加速された高エネルギーの電子をモロに受ける。 この影響で、気体分子が電離して層を作っている。 この層を電離層という。
特に高緯度地方では、磁気圏で加速された高エネルギーの電子が、気体分子を励起し、それが光を放ってオーロラとなって発光する。