彗星を語る。
太陽に接近したときに、尾を生じる小型の天体を彗星という。 尾を引いた姿が箒(ほうき)に似ていることから、彗星をほうき星と呼ぶ場合がある。
彗星の後方へ向けて、尾が伸びていると思う人がいるが、これは誤りだ。 太陽風によって押し流されるため、尾は太陽と反対の方向に伸びるのである。
太陽から遠方にある彗星に尾はない。 尾を形作るガス成分が凍結しているからだ。
公転によって太陽に約3AU以内に近づくと、太陽の熱でガス成分が揮発し彗星を取り巻く大気になる。 この大気をコマという。 太陽に近づくほど、彗星が受ける熱と太陽風は多くなるため、尾は長く大きくなる。
彗星の中心を核(コア)という。 核は岩石や有機物の塵を含んだ氷の塊である。「汚れた雪玉」のイメージだ。
彗星の尾は二股に分かれているように見える。 太陽と正反対の方向に伸びるガステイル(ガスの尾)と、わずかにカーブしたダストテイル(塵の尾)である。 ガステイルは、帯電した塵、金属から構成されるイオンの尾である。
周期彗星は何回も太陽を公転しているうちに、ガス成分がすべて揮発してしまいコマや尾を生成しなくなる。 このため、岩石質の核だけが残ることになる。 このような核だけになった彗星は小惑星と区別がつかない。
かつての彗星がガス成分をすべて失い、今は小惑星となっている天体も多くある。
木星と天王星の間に軌道を持つキロンは、1977年に小惑星として発見された。 1989年、キロンにコマが生じたことから、キロンは小惑星であると同時に周期彗星でもあることが分かった。 現在、キロンは小惑星として「2060」に、 彗星として「95P」に、それぞれ登録されている。
このようなことから、今日では、小惑星と彗星に本質的な区別が難しくなっている。 2006年の国際天文学連合の総会によって、小惑星と彗星は太陽系小天体[SSSB]に分類されることになった。
揮発成分の大部分(80%以上)は水(H2O)である。 その他、一酸化炭素(CO)、二酸化炭素(CO2)、メタン(CH4)、アンモニア(NH3)、シアン化水素(HCN)が揮発成分を構成している。 彗星の写真が青緑色を帯びている理由は、これら成分のためである。
参考文献・サイト
Trans-Neptunian object
Kuiper Belt Page
2007/08/13