おおかみ座を語る。
おおかみ座は、夏の星座である。
さそり座とケンタウルス座の間にある。
トレミーの48星座の一つでもある。
古代のギリシアやローマでは、おおかみ座を「獣座」と呼んでいた。
その後、この領域はケンタウルス座に属し、ケンタウルスが持つ槍で突かれる獣の姿が描かれた。
エラトステネスは、ケンタウルスが祭壇(さいだん座)にささげる獲物として解釈した。
ローマ教皇のヒギヌスは、「生贄(いけにえ)」と解釈した。
トレミー48星座は、2世紀以来使われてきた。
18世紀に、その中のアルゴ座がラカイユによって分割された。
おおかみ座を含む残りの47星座は、すべて現在の88星座に引き継がれている。
おおかみ座の主な恒星
おおかみ座α [α Lup]
548光年離れた青い巨星である。
2.29等から2.34等の範囲で変光する。
おおかみ座β [β Lup]
524光年離れた2.6等級の青白い恒星である。
おおかみ座ε [ε Lup]
504光年離れた連星である。
3.37等級の青白い主星の周囲を4.85等級の伴星が回っている。
主星は分光連星である。
おおかみ座η [η Lup]
3.4等と7.7等の二重星である。
光度差があるため小口径の天体望遠鏡での分離は難しい。
太陽系から493光年離れている。
おおかみ座μ [μ Lup]
三重星である。離れた伴星は小口径の天体望遠鏡で楽に分離できる。
さそり-ケンタウルス運動星団
おおかみ座には、青く若い星が多い。
これらの星は、この付近一帯に群がる「さそり-ケンタウルス運動星団」を形成するメンバーになっている。
さそり-ケンタウルス運動星団は、110個程度の恒星がカノープスの方向へ進んでいるのである。
おおかみ座の主な星雲・星団
NGC5822
NGC5822は散開星団である。
コンパス座との境界付近にある。
低密度の散開星団で、2000光年の距離にある。
NGC5749
NGC5749は散開星団である。
NGC5824
NGC5824は球状星団である。
1826年にジェームズ・ダンロップによって発見された。
その後、なぜかウイリアム・ハーシェルの観測に見当たらず、行方不明の天体になった。
1884年にバーナードが再発見し、NGCに収録された。
NGC5986
NGC5986は球状星団である。
1826年にジェームズ・ダンロップによって発見された。
太陽系からの距離は3万5000光年と見積もられている。
おおかみ座のその他の天体
SN1006(超新星)
西暦1006年に出現した超新星である。
日本や中国など、アジア圏には新星出現の記録が残っているが、なぜか西欧圏には該当する記録が少ない。
この超新星の残骸は発見されており、エックス線や可視光線の放射が確認されている。
電波源PKS1459-41が、SN1006の残骸に相当する。
おおかみ座GQ [GQ Lup]
太陽系から550光年離れたK型星である。
惑星系の存在が確認されている。
B228
B228の「B」はバーナードカタログを意味している。
バーナードカタログは暗黒星雲のカタログで、B228は、このカタログの228番に記録された暗黒星雲である。
参考文献・サイト
Constellations
Star Tales
Telescopes see 'distant planet'
Royal Astronomical Society of New Zealand
2009/05/13