ホーキング織野の

サラリーマン、宇宙る。

太陽系外惑星を語る。

トップページ銀河系の目次太陽系外惑星

太陽系外惑星とは

太陽は8つの惑星をもっている。

近年、太陽以外にも惑星を従えた恒星が続々と発見されている。
このような太陽以外の恒星を回る惑星を太陽系外惑星という。



「太陽以外の恒星の中にも、惑星を従えたものがあるに違いない」という考えは古くからあった。
しかし、実際に太陽系外惑星の存在が確認されたのは、比較的新しく1995年のことである。




太陽系外惑星の発見方法

太陽系外惑星を発見すると言っても、「巨大望遠鏡を恒星に向けたら、すぐ横にポツンと惑星がありました」というような見つけ方は、なかなかできない。
太陽系外惑星は、暗いためにCCDでも撮像が困難なのだ。
(最近は可能になりつつあるが)



太陽系外惑星を直接見ることは不可能でも、恒星を注意深く観測することによって、その挙動から惑星を従えている証拠を見出すことができる。


現在では、恒星の挙動を確認して、太陽系外惑星の存在を特定する手法が取られている。
このような手法の主流は「ドップラー偏移法」と「トランジット法」だ。




ドップラー偏移法

太陽は、太陽系の中心にデンッと静止していて、その周囲を惑星たちが公転しているというイメージが強い。
実はこれは誤りなのだ。
太陽太陽系の中心から少しずれていて、太陽自身も太陽系の中心を公転しているのである。



木星の質量は大きい。
太陽木星の引力によって、太陽系の中心から木星の方向に少しずれるのだ。
ずれる距離は太陽の半径ほどしかないのであるが、この距離を軌道半径として太陽は、太陽系中心の周囲を公転しているのである。



これを、太陽系外から観測すると、太陽木星の引力に引っ張られてフラフラしているのが観測できるはずだ。
他の恒星でも同じことが言える。


もし、恒星がフラフラしていたら、大きめの惑星を伴っていると判断できる。
惑星を持たない単独の恒星はフラフラしないからだ。



恒星はフラフラしている様子は、眼視や写真では確認できない。
そこで、ドップラー効果を使用する。
フラつきによって恒星の光が起こすドップラー効果を検出するのである。
この手法がドップラー偏移法だ。

ドップラー偏移法による太陽系外惑星発見の原理
出展:JPL PlanetQuest
ドップラー偏移法による太陽系外惑星発見の原理




トランジット法

これに対してトランジット法は日食食変光星と同じ原理で太陽系外惑星を発見する手法である。

恒星の前面を惑星が通過すれば、その恒星はわずかに減光する。
減光を捉えれば、惑星の存在が確認できるのだ。

トランジット法による太陽系外惑星発見の原理
出展:JPL PlanetQuest
トランジット法による太陽系外惑星発見の原理



もちろん、トランジット法は惑星の軌道面が地球を向いていなくては使い物にならない。
公転周期の長い惑星であれば、減光のチャンスを捉えるのは難しい。
しかし、観測機材が軽装で済むことから、アマチュアの参加できる余地は大いにある。




太陽系外惑星の種類

太陽系外惑星の発見第一号はペガスス座51番星の惑星「ベレロフォン」である。
このベレロフォンはドップラー偏移法によって発見された。



このベレロフォンは木星の半分程度の質量を持ち、主星(ペガスス座51番星)から0.05AUの距離を4.2日で公転している巨大ガス惑星である。
主星から至近距離を公転する木星型惑星をホットジュピターと呼ぶ。



大質量の惑星が至近距離を公転していれば、その恒星はフラつきやすい。
つまり、ホットジュピタードップラー偏移法で検出しやすいのだ。



ベレロフォンの発見以来、太陽系外惑星の捜索が活発になっている。
California and Carnegie Extrasolar Planet Search によると、2007/01/05現在、182個の太陽系外惑星が確認されている。
(2008/11/20現在では228個)



太陽系の惑星は「内側に小型の地球型惑星(岩石型惑星)、外側に巨大惑星」というパターンで配列している。



ところが発見される太陽系外惑星は、今のところこのパターンにあてはまるものはない。
現在までに発見されている太陽系外惑星は以下の3種類である。
どれも太陽系には、存在しないタイプである。

ホットジュピター極めて内側を回る大型ガス惑星
スーパーアース地球の数倍サイズの岩石型惑星
エキセントリック・プラネット長円軌道の惑星


太陽系の「内側に小型の岩石型惑星、外側に大型ガス惑星」というタイプは、太陽系外惑星では見つかっていない。




太陽系外惑星の例

HD189733b

こぎつね座V452の周囲を公転するホットジュピターである。
トランジット法によって発見された。
赤外線観測により大気中に存在する水とメタンが確認された。



グリーゼ 876b

みずがめ座赤色矮星グリーゼ 876の周囲を約61日で公転する太陽系外惑星である。



太陽系外惑星の探査計画

ここでは、太陽系外惑星発見を目指す宇宙望遠鏡について解説する。



COROT/コロー

2006年12に打ち上げられたCOROTは、トランジット法によって太陽系外惑星を捜索しようとする宇宙望遠鏡である。
[..さらに詳しく見る..]



Kepler/ケプラー

Kepler(ケプラー)はNASAが2009年に打ち上げた太陽系外惑星探査機である。
3年をかけて、地球型の太陽系外惑星を探査する。
[..さらに詳しく見る..]



TPF

地球型の地球型の太陽系外惑星を探査する宇宙望遠鏡である。



Darwin/ダーウィン

口径3メートルの宇宙望遠鏡3機から構成される干渉計である。
2015年以降の打ち上げが計画されている。



PEGASE/ペガサス

2010年から2012年の間に打ち上げる計画である。



SIM

Space Interferometry Missionの略である。
2015年から2016年の間に打ち上げる計画である。



New Worlds Mission

2013年に打ち上げる計画である。




太陽系外惑星のFAQ

太陽系外惑星とは何ですか?

太陽以外の恒星を回る惑星を太陽系外惑星といいます。



惑星の定義は太陽系外惑星にも適用されますか?

国際天文学連合が2006年に制定した惑星の定義は、太陽系にのみ適用されます。
したがって、太陽系外惑星の定義は明確ではありません。

現時点では、太陽外の恒星を回る、自分で光らない小型天体を太陽系外惑星と見なしています。



太陽系外惑星の関連ネタ




このページのTOPへ




スポンサーリンク

参考文献・サイト

California and Carnegie Extrasolar Planet Search
PlanetQuest

2007/01/05
2008/11/20



スポンサーリンク

Amazon.co.jpアソシエイト



スポンサーリンク

Amazon.co.jpアソシエイト