パルサーを語る。
パルサーとは
短い周期で電磁波(可視光線・電波・X線・ガンマ線)を放射する天体をパルサーという。
放射の間隔(パルス周期)は、数ミリ秒から数秒の範囲が多い。
パルサーの正体は中性子星だと考えられている。
しかし、すべての中性子星がパルサーではない。
「中性子星」=「パルサー」という説明を時々見かけるがこれは誤りである。
パルサーが放つ電磁波の周期は極めて規則正しい。
このため、初めてパルサーが発見されたとき、発見者(ヒューイッシュ)は、地球外知的生命体による通信だと考えたとうエピソードもある。
かに星雲(M1)は超新星の残骸である。
かに星雲の中心にパルサーが発見されたことによって、中性子星は超新星爆発によって誕生することと、中性子星の正体がパルサーであることが確認された。
中性子星の持つ磁場は強い。
このような中性子星が高速で自転することによって、周囲の荷電粒子が加速され進路が曲げられる。
このため、シンクロトロン放射によって電磁波が放たれる。
中性子星の自転軸と磁極は一致していない。
このため、中性子星の自転によって磁極が振り回されることになる。
磁極が地球の方向を向いたときに、放射線が届くのだ。
シンクロトロン放射は自転と同期しているため、パルサーの周期は短いのだ。
パルサーからの電磁波は、灯台に例えることができる。
灯台は絶えず、強力なライトで光を放っている。
観測者(例えば船の操縦者)から見ると、ライトが回転するタイミングで光が見えることになる。
ライトは常に光っており、そのライトが観測者の方向を向いたときのみ光が見えるのだ。
同様にパルサーは、絶えず、強力な電磁波を放っている。
地球上の観測者は、パルサーの磁極が地球の方を向いたときにその電磁波をキャッチするのである。
パルサー自身が短い周期で点滅しているのではないのである。
パルサーが放つ電磁波の周期は数ミリ秒から数秒の短い範囲である。
これは中性子星がこれほどのスピードで自転していることを示している。
こんなスピードで回転して星自身が破壊されないのは、中性子星の重力が強いからである。
パルサーの周期は非常に正確であるが、長期間の間にはパルスの間隔が短くなっていく。
これは、電磁波を放つことによってパルサーのエネルギーが奪われるからである。
周期1秒のパルサーは、100万年後に周期1.03秒になるのが、おおよその周期の変化の目安である。
一方で、突然、パルサーの自転スピードがアップする現象もある。
この現象を「グリッチ」という。
パルサーの内部は超流動体になっており、この超流動体の回転するスピードとパルサーの表面の自転スピードの不一致が原因らしい。
1回のグリッチで放出されるエネルギーは、太陽放射の3000年分に匹敵する。
グリッチが頻繁に観測されるパルサーとして「ほ座パルサー」が有名である。
パルサーになるのは中性子星だけだと思われていたが、白色矮星のパルサーもX線天文衛星「すざく」によって発見されている。
パルサーは大きく3種類に分類される。
| パルサー | 通常のパルサー。回転エネルギーを電磁波として放射する。このため徐々に回転数が低下する。 |
| X線パルサー | 近接連星系で一方からガスが膠着するときに放射する |
| マグネター | 強力な磁場を持つ。この磁場のエネルギーが放射のエネルギーになる。 |
パルサーの例
PSR J1903+0327
パルサーの連星である。
PSR J1748-2446ad
極めて高速で回転するパルサーである。1秒間に716回転している。
参考文献・サイト
A Pulsar Discovery
NASA Sees Hidden Structure Of Neutron Star In Starquake
2008/01/26