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おうし座を語る。

トップページ銀河系の目次星座88星座おうし座

おうし座は、冬の星座である。
黄道十二星座の一つで、おひつじ座ふたご座の間にある。



黄道とは太陽が一年かけてたどるルートのことだ。
黄道上にある12の星座が黄道十二星座である。

おうし座には黄道が通っており、おおよそ5月14日から6月21日にかけて、太陽はおうし座の領域を通過する。
この時期おうし座は太陽の背後(昼間の空)にあるので見ることができない。



おうし座は、大神ゼウスが化けた牛の姿に由来する星座である。



おうし座には、プレアデス星団、ヒアデス星団、かに星雲など著名な天体が多い。

おうし座 おうし座
出展:IAU




おうし座は、トレミーの48星座でもある。
トレミー48星座は、2世紀以来使われてきた。



しかし、18世紀に、トレミー48星座の中のアルゴ座ラカイユによって分割された。
おうし座を含む残りの47星座は、すべて現在の88星座に引き継がれている。



おうし座の主な恒星

アルデバラン[α Tau]

アルデバランのスペクトル型はK型で、オレンジ色である。
すでに水素の核融合を終え、ヘリウムによる核融合が始まった赤色巨星である。

アルデバランは、13.5等級の赤色矮星を伴星とする二重星でもある。
さらにアルデバランの周囲には、木星の11倍の質量の惑星(または褐色矮星)が公転周期2年で回っている可能性が示唆されている。
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おうし座β [β Tau]

おうし座で2番目に明るい恒星である。
太陽系から131光年の距離にあるB型星で、エルナトという固有名で呼ばれる場合もある。

かつて、おうし座βは、ぎょしゃ座に属していた。
そのためぎょしゃ座γ[γ Aur]という名称もある。




おうし座γ [γ Tau]

おうし座γはヒアデス星団を構成するメンバーで、おうし座のV字の中央の星である。
太陽系から154光年の距離にある




おうし座の主な星雲・星団

M1(かに星雲)

M1超新星残骸である。 かに星雲とも呼ばれている。

M1(かに星雲)
M1(かに星雲)
出典:M1: The Crab Nebula from Hubble

M1の中心部ではパルサーが確認されている。
このパルサーは、1秒間に30回の放射を放っている。
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M45(プレアデス星団)

M45は有名な散開星団である。別名「プレアデス星団」「すばる」とも呼ばれている。

M45(プレアデス星団)
M45(プレアデス星団)
出典:M45: The Pleiades Star Cluster

太陽系から距離は400光年である。
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ヒアデス星団

アルデバランの周囲には、青い星がV字形に配列している。
これをヒアデス星団という。
ヒアデス星団は約40個の恒星で成り立ち、150光年の距離にある。

アルデバランはたまたま方向が一致しているだけで、ヒアデス星団には含まれていない。




NGC1409/1410

NGC1409とNGC1410は互いに接近しつつある銀河だ。

おうし座の銀河NGC1409/1410
おうし座の銀河NGC1409/1410
出典:NGC 1410/1409: Intergalactic Pipeline

この二つは過去に何回か衝突を繰り返し、そのたびに物質を交換してきたらしい。

最終的には一つの楕円銀河になると考えられている。
銀河系から3億光年の距離にある。




NGC1514

NGC1514は、惑星状星雲である。
太陽系からの距離は4300光年である。





NGC1555

ハインドの変光星雲とも呼ばれている。
おうし座T星の変光に追従し、星雲が変光する。

ハインドの変光星雲NGC1555
ハインドの変光星雲NGC1555
出典:The Galactic Ring of NGC 6782

NGC1555は反射星雲(散光星雲の一種)である。
おうし座T星の光に照らされて光っている。
おうし座T星が変光すれば、星雲が反射する光の量も変わるのだ。

1852年から1868年にかけて観測されたが、その後、1890年までまったく見えなかった。
1890年にバーナードが出現を確認したものの1899年に再び消えてしまった。
さらに、1920年に増光が確認されている。




おうし座34番星

おうし座では34番星が欠番になっている。


天王星は1781年にハーシェルによって発見された。
それ以前の1690年に、フラムスティードは、おうし座で天王星を見ているが、それを惑星とは気付かずおうし座34番星として記録した。
このため、おうし座には34番星がないのである。




おうし座の流星群

おうし座β群

昼間の群であるので、レーダーで観測される。
6月5日から7月18日にかけて活動する。
1947年に発見された。



おうし座流星群

輻射点が二つあり、おうし座北群、おうし座南群と呼ばれている。
エンケ彗星が母天体である。
10月12日から12月2日にかけて活動する。



おうし座のその他の天体

おうし座T [T Tau]

おうし座Tは、主系列星の前段階にある天体(原始星)である。
1852年にハインドによって発見された。
不規則な変光を示す。
おうし座T型星の代表例である。



おうし座T星の変光に従い、この光を反射するハインドの変光星雲(NGC1555)も明るさが変化する。



おうし座T星には、バーナムの星雲が付随している。
バーナムの星雲のように原始星に付随する天体をハービッグ・ハロー天体(HH天体)という。



おうし座RR [RR Tau]

おうし座T型星の一種である。



おうし座V471 [V471 Tau]

白色矮星主系列星から成る近接連星である。
白色矮星がまだ赤色巨星だったころ、主系列星はこの赤色巨星に飲み込まれていた。



グリーゼ176

太陽系から31光年の距離にある赤色矮星である。
スーパーアースが公転している。




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参考文献・サイト

Constellations
Star Tales
AAVSO
AAVSO
Chandra X-ray Observatory
BBC:Constellations
NGC 1410/1409: Intergalactic Pipeline
Wikipedia:Zodiac

2008/05/04
2009/10/24
2010/10/01



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