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黄道十二星座を語る。

トップページ銀河系の目次星座黄道十二星座

黄道十二星座とは

現在、全天で88個の星座が制定されている。
88個の星座の中には、紀元前から知られているものもあれば、大航海時代になって作られた新しいものまである。

これら88個の星座の中で、次の12個を黄道十二星座という。

おひつじ座 おうし座 ふたご座
かに座 しし座 おとめ座
てんびん座 さそり座 いて座
やぎ座 みずがめ座 うお座



これら黄道十二星座は、起源が古いものばかりだ。
元々、星座は星を線で結び、動物や人物のイメージを重ねたものである。
その中の一部は、古代の暦制定に用いられた。



古代の政権にとって正確な暦は重要である。
農耕の生産性や徴税に影響するからだ。
黄道十二星座は、すべて古い時代から暦の管理に利用されてきた星座である。



黄道十二星座は、神話と結びついた民間伝承だけでなく天文学・暦学のツールなのである。




黄道と黄道十二星座の関係

地球は太陽の周囲を1年かけて公転する。
このため、夜空の様子は1年周期で変化する。
季節の経過につれて、星座が少しづつずれて、1年で一周するのである。



昼間は星空は見えない。しかし、もし昼間も星空が見えるとしたら、1年を通して昼間も星空も変化していくのが分かるはずだ。
地球の公転により一年かかって、太陽の背後の星座が変化していくのである。



地球が1年で公転するため、太陽は1年間かかって、星空の間を一周するように見える。
1年間かかって、太陽が通るルートを黄道という。
そして黄道上にある星座が黄道十二星座である。



地球の公転によって、太陽は黄道十二星座の中を通っていくことになる。
このため、「太陽が今どの星座にいるのか」が暦にとって重要な事項となる。



さらに惑星も黄道付近を通過する。
黄道近辺は天体観測をする上で重要視されていたエリアなのである。
このため、黄道十二星座は他の星座よりも、天文学にとって特別な扱いを受けてきたのだ。



星座はメソポタミア文明で誕生したが、古代エジプトや古代ギリシアに伝わるにつれ、様々なバリエーションが付け加わった。
このため、多種多様な星座が乱立した。


プトレマイオス(トレミー)は、これら星座を整理し、48個の星座を設定した。
これをトレミーの48星座という。
黄道十二星は、すべてトレミーの48星座に含まれている。



20世紀になって、現在の88星座が国際天文学連合[IAU]によって制定されたとき、同時に各星座の境界線も設定された。
つまり、すべての星座に領域が与えられたのだ。



黄道十二星は、すべて領域内を黄道が通過する。
黄道は、黄道十二星でないはずのへびつかい座の領域内も通っている。
しかも、へびつかい座を通過する黄道の長さは、黄道十二星のさそり座よりも長いのだ。




歳差と黄道十二星

黄道と天の赤道との交点は二つある。
交点のうち、太陽が南側から北側に横切る点を春分点という。
反対に北側から南側へ移る点を秋分点という。



春分点は、歳差の影響で毎年50"の割合で西へ移動する。
このため、春分点のある星座は長い年月とともに移り変わっていく。



星座が誕生した古代バビロニアの時代にはおひつじ座にあった。
このため、黄道十二星座の1番目は、おひつじ座になった。

なお、現在の春分点は、うお座にある。
西暦2600年代には、春分点みずがめ座へと移動する。



さらに数千年後には、春分点へびつかい座に入ることになる。
本来、黄道十二星座でないはずのへびつかい座春分点があるというのは、奇妙なことである。
ただし、数千年後でも、88星座がそのまま残っていればの話だが。



黄道十二星と占星術

黄道十二星座を見ると、これらが占星術に利用される星座と一致していることに気が付く。
占星術は天文学から分離したからである。
現在、占星術は天文学との関連や科学的根拠は認められていない。



うお座秋の星座であるが、占星術では春先の生まれの人を「魚座」という。
この例に限らず、占星術の星座と、その星座が見える季節は一致していない。
これは、占星術が天文学から分離した歴史の名残である。



地球の公転によって、太陽は黄道十二星座の中を通っていく。
暦の管理にとって「太陽が今どの星座にいるのか」が重要な事項となる。
同様に生まれたときに「太陽が今どの星座にいるのか」を元に占星術の星座(生まれの星座)が決められたのだ。
このため、生まれたときには、その星座は見えないことになる。



現代の占星術師の中には、へびつかい座を含めた13星座占いを提唱する人物がいるらしい。
これは、へびつかい座の領域内を黄道が通過していることを根拠としているからだそうだ。



星座の境界は、国際天文学連盟が人為的に決めたものだ。
占星術は「天体の運行が人の運命に影響を与える」という立場を取っているにも関わらず、人為的に決めた星座の領域に合わせようというのだから矛盾している。



もし、今後、国際天文学連盟が星座の境界を変更したら、占星術も影響を受けることになる。
何とも奇妙な話である。




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